【林修の今でしょ!講座】漢方って本当に効くの!? 徹底解明

hayashi

林修の今でしょ!講座で
新見正則先生による漢方講座が
放映されていました。

すごくおもしろい内容だったので、
その内容をまとめていきたいと思います。
見逃した方、必見です!

新見正則先生ってどんなドクター?

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もともとは消化器外科の先生であり、
移植免疫学など西洋医学をの道を極めた先生です。

主治医以外の診察を受ける
セカンド・オピニオンを初期に実践し、
西洋医学では治らない患者を数多くみてきました。

そんな中、出会ったのが漢方でした。
漢方を深く学ぶうちにその魅力にひかれ、
現在は漢方医として、その有用性を広める活動をしています。

漢方薬って怪しくない?

漢方で使われるのは、
植物・動物・石などの天然物のうち、
体に効果が期待できるものです。

それらを「生薬」と呼びますが、
民間薬は基本的に1種類の生薬を使ったものです。
漢方薬は、2種以上の生薬を一定の配合で混ぜたものを指します。

漢方薬って根拠がないんでしょ?
とその効果に疑いの目を向ける人もいますよね。
その点、西洋医学は仕組みが分かっているから安心だと。

しかし新見先生は、
西洋医学だって分かっていないことが
ほとんどでしょ?とおっしゃっていました。

確かにその通りなんです。
一部の感染症くらいしか、
明確に原因と治療が分かっているものはありません。

その証拠に西洋薬のほとんどが
「対症療法」ですよね。
原因を治す方法は見いだされていないのです。

また、西洋薬の説明書(添付文書)
をみても、効果のメカニズムがはっきりと
記載されていないものが非常に多いのです。

つまり、なんで効くか分からない、
けど、効くみたいだから使っている。
という状況なわけです。

で、あるならば、
漢方薬だって同じことですよね、
ということなんです。

数千年前から、
いろ~んな生薬を使ってみて、
こういう症状に効果があるぞ!って
経験的に蓄積していったものが漢方です。

西洋薬は引き算、漢方薬は足し算の知恵

この話、すごくおもしろかったです。
西洋薬は引き算の歴史であり、
漢方薬は足し算の歴史だったという話です。

そもそも現代薬学のはじまりは、
「麻薬」でした。
有名なモルヒネです。

アヘンを使うと気持ちよくなる
ということは知られていて
その効果の正体は何か?を研究されてきたのです。

1804年、ついにその正体が
モルヒネという成分であることが
発見され、不純物を取り除く精製が行われたのです。

つまり、引き算の知恵です。
効果のある成分だけを抽出して
錠剤にするという、西洋薬の誕生です。

一方で漢方薬は、その逆です。
1つ1つの生薬の効果は弱いため、
組み合わせて使うことで効果を高めていったのです。

足し算の知恵により発展してきんですね。
だから、ほとんどの漢方薬には
数種類の生薬が使われているのです。

何と何の組み合わせが
最も効果を発揮するのか?
その試行錯誤の繰り返しだったのです。

そして、現在の漢方処方は
約1800年前に完成され、
それが現在まで守られてきたのです。

風邪には漢方が最高?

風邪の特効薬を開発できれば
ノーベル賞だとよくいわれたものです。

なぜ風邪薬の特効薬はできないのか?
それは、風邪の原因がウイルスだからです。
一般にウイルスの薬は開発が難しいのです。

やっと最近になり、
・インフルエンザ
・HIV(エイズ)
・肝炎
などに一部のウイルスに対する
抗ウイルス薬が開発されてきました。

しかしながら、
特定のウイルスが原因ではない
「風邪」の特効薬はいまだ開発されていません。

では、風邪はどうやって治すか?
健康であれば、ほったらかしで治りますよね。
つまり、自分の免疫力で対処するしかないのです。

そして、免疫が活発に働くためには、
「発熱」が必要なのです。

西洋薬は体を冷やすものが多く、
風邪には本来向いていません。
(40℃以上の発熱には解熱が必要な場合あり)

漢方薬の基本的な考え方は、
風邪のひき始めに身体を温め、
自分の免疫力を高める!です。

ウイルスが増えてからでは、
なかなか対抗できないため、
増える前に体を温めて免疫部隊を強めるのです。

これにぴったりの漢方が「葛根湯」です。
1800年前に選び抜かれた7つの
エリート生薬から成る漢方薬です。

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カッコン=体を温め発汗を促す
マオウ=鼻みず、気管支炎、鼻づまりを改善する
シナモン=過度の発熱、痛みを抑える
などそれぞれの生薬に意味があるのです。

漢方薬のメリットは、
眠くならないということです。
そして元気なときに飲んでも副作用はほぼ起こりません、

一方で、総合感冒薬には、
抗ヒスタミン薬など眠くなる成分が
含まれている場合が多いため注意が必要です。

アトピーに効くおもしろい漢方がある!

アトピーの治療は、
かかった年数の半分はかかる
といわれるほど長く付き合うケースもあります。

中には、西洋薬だけで
なかなか改善がみられない、
という方も多くいらっしゃることでしょう。

そんなとき、ひとつの
選択肢として漢方はどうしょうか?
名前を温清飲(うんせいいん)といいます。

おもしろい漢方薬で、
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)と
四物湯(しもつとう)を混ぜたものです。

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なぜ2種類の漢方薬を混ぜたのでしょう?

理由は、
炎症による痒みと
肌の乾燥を同時にカバーするためです。

黄連解毒湯には、

オウレン(胃の熱を取り去る)
オウゴン(抗菌作用や解熱効果)
サンシシ(内臓の炎症鎮静)
オウバク(炎症を抑制する)

といった体を冷やす効果をもつ
生薬がたくさん含まれていて、
炎症・熱による痒みを解消してくれます。

逆に四物湯は、
やや体を温めて肌に潤いをもたせ、
アトピー特有のカサカサ感を改善します。

この二つを合わせることで、
ほてり・痒みと皮膚乾燥を同時に
改善することができるのです。

また、どうしても痒みが強く、
いち早く痒みを鎮めたいという場合は
黄連解毒湯だけを飲んだほうがいい場合もあります。

西洋薬による治療では、
ステロイドの外用剤など
外から治していくイメージですが、
漢方薬は、体の内側から体質改善するイメージです。

冷えには漢方がいいってほんと?

西洋医学による治療が難しい
症状のひとつに、「冷え症」があります。

西洋医学で重要な概念に、
「診断」といわれるものがあります。
つまり、病名を決めないと治療できないのです。

しかし、
診断学の教科書には
冷え症という病名は存在しないのです。

ゆえに、冷え症で受診しても
満足のいく治療を受けられないことが
多いのはそのためなのです。

そんなときも漢方を試してみる
価値はあるかもしれません。
おすすめは「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」です。

長すぎる名前ですね(笑
読み方は(トウキ・シギャク・カ・ゴシュユ・ショウキョウ・トウ)
となります。

9種類からなる漢方で、

トウキ=血行をよくして、体をあたためる作用がある。
ケイヒ、シャクヤク=痛みをとる代表的な生薬。
サイシン、ゴシュユ、ショウキョウ=体をあたため痛みを緩和する。
モクツウ=水分循環をよくする。

などこれらが一緒に働くことで効果を発揮します。

実は昔から、
しもやけの特効薬として知られ、
使われてきた漢方薬です。

以上、いかがでしたでしょうか。
なんとなく漢方薬のイメージがついてきたでしょうか?

新見先生もおっしゃっていますが、
漢方が万能、というわけではありません。

しかしながら、
西洋薬だけでうまくいかない場合も
多くあるのも、また事実です。

そんなとき、
ひとつの選択肢として
漢方薬を考慮にいれてみてはいかがでしょうか?

少しでもお役にたてれば幸いです!
では、また!

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コメント

  1. tk より:

    私もこの講座をみていました!
    以前から、新見先生の漢方についての著作物は何冊か読んだことがあるのですが、その時、素人には分かりづらい漢方の世界をうまく説明していてすごいなあと思いました。今回も生薬の足し算引き算で漢方薬について一般の人にわかりやすく説明しているところがみごとだと思いました。今回のTVを見てて思ったのが漢方医学について理解するには、まず使われている個々の生薬についての知識が重要だなあということです。構成されている生薬がどんな目的で配合されているのか理解できれば個々の漢方薬の特徴についての理解がしやすいなと思いました。

    • しゅがあ より:

      tk さんへ

      いつもコメントありがとうございます!

      新見先生の説明、すごく分かりやすいですよねー。

      確かに、一つ一つの生薬がもつ特徴を理解できてくると楽しそうですよね!

      「足すことにより、効果がなくなるものもある」というのがすごく興味深かったです^^

      先生もおっしゃっていましたけど、「西洋医学+東洋医学」が今後の医療のキーになるかもしれないですね!