死亡例発生!ジェブタナとは~その副作用は?~

jevtana

9月に販売が始まった前立腺がんの抗がん剤「ジェブタナ」(一般名カバジタキセル)を投与後に、患者5人が死亡していたことが10日、厚生労働省への取材で分かった。白血球が減少し感染症などを引き起こした副作用の疑いがあるとして、製薬会社「サノフィ」(東京都新宿区)が慎重な投与を医療機関に呼び掛けている。

厚労省によると、ジェブタナは点滴薬で、販売開始の9月4日から今月3日までの3カ月間に約200人が使用。延べ42人に、白血球の一種の「好中球」が減少する症状が確認され、このうち60代の3人と70代の2人が肺炎や敗血症などで死亡した。

医師向けの添付文書では、好中球が減少して患者が死亡するケースがあるため感染症の症状のある患者への使用を禁じており、同省は「頻繁に血液検査して白血球の状態を確認し、患者に発熱があった場合は直ちに抗菌薬を投与してほしい」としている。(yahoo!ニュース)

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一般名(成分名)

カバジタキセル アセトン付加物製剤
ドセタキセルと同じタキサン系抗癌薬に分類されます。

効果・効能は?

前立腺癌に使われます。点滴薬であり、プレドニゾロンを併用し1日1回25mg/m2を1時間かけて3週間間隔で点滴静注します。

現在、前立腺がんには、薬剤により男性ホルモンを抑える「ホルモン療法」が中心的な治療として広く行われています。

しかし、ホルモン療法を長期間継続すると、徐々に抵抗性を示す癌細胞が増え、治療効果が消失してしまうことが知られています。

このホルモン療法抵抗性となった状態は、外科的去勢後に症状が増悪した患者と合わせて「去勢抵抗性前立腺癌」と称され、治療が難しい状況になることがしばしばあります。

ジェブタナは、特にこういった治療抵抗性の患者への使用が推奨されている薬剤です。

死亡例がでた原因は?

ジェブタナは細胞の分裂を抑える作用があります。

細胞分裂を行うためには、1つの細胞が2つに分裂する必要があります。

このとき細胞はDNAを複製し、もう一つ全く同じコピーをつくります。そうして2つのセットのDNAを用意した後、今度はそれぞれを2つに分ける必要があります。

この過程で重要な役割を果たす物質として、微小管というものがあります。

微小管は、細胞の中で集まった後(重合(じゅうごう)ともいいます)、今度は寄せ集まった微小管を元のバラバラの状態に戻らなければいけません(脱重合)。

このバラバラにする過程を邪魔してストップさせるのが、ジェブタナの作用です。

この過程を阻害すれば、細胞分裂の最後の過程は完了しなくなります。その結果、細胞分裂が抑制されて前立腺がんの増殖が抑えられるのです。

もし、ジェブタナが前立腺の細胞だけに働けば、副作用は起きませんが、残念ながら細胞分裂が活発な白血球などにも作用してしまうのです。

今回の死亡例は、ジェブタナを使用したことにより、細菌やウイルスと闘う白血球の数が急激に減ってしまったことが原因です。

白血球が減ると、肺に細菌感染を起こす肺炎や血液中に細菌などが入り込んでしまう敗血症(全身の炎症を起こしてショック死)を起こす危険があります。

そういった状況を回避するため、ジェブタナ使用時には頻繁に血液検査を行うように注意喚起されています。もし異常がみられた場合には、適切かつ迅速な抗菌薬の投与など対応が必要になります。

抗がん剤の使用では、こういった事例は一定数起こりますが、発見が少しでも遅れ、急激に状態が悪化して対応が間に合わないと今回のような死亡例につながることもあります。

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