薬剤師って?

ここでは、薬剤師(英語:Pharmacist)
という資格と仕事について説明したいと思います。
・どうすればなれるのか?
・どんなことをやっているのか?
について知っていただけると思うので、ご興味があればご覧ください!

まずは、どうやったら薬剤師になれるのかについてです。
薬学部が6年制へ移行したことについては
ニュースなどで耳にしたことがあるかもしれません。

以前は4年間で大学を卒業すれば、国家試験を受験できました。
現在は6年間のカリキュラムをもつ大学を卒業した者にのみ受験資格が与えられます。

つまり、薬科大学に6年間在籍し、
大学課程の全単位取得して卒業後、
毎年3月に行われる「薬剤師国家試験」に合格すれば、
晴れて薬剤師免許が国から与えられます。

薬科大学は国公立、私立の2種類があります。
私立大学の薬学部は新設が多く、
その大学数はここ数年増加傾向にありました。
しかし、入学生の人員確保や学力維持の難しさからこれからは縮小傾向になっていくでしょう。

私立大学薬学部の学費は、
他の学部と比較して倍近くになることもあり、
卒業までに学費だけで1000万円以上の金銭的負担がかかります。
それに生活費などが加わるため、入学にはかなりハードルが高くなっているのが現状です。

一方、国公立大学は学費はどの学部も一律ですが、
定員数は少ないため、競争率は高くなってしまいます。
いずれにしても、薬剤師免許は金銭的な負担、卒業までの膨大な勉強量、国家試験の突破など簡単に得られる資格ではないのです。

アルバイトやパートで高い時給が提示されるのも、
医師や歯科医師などと同様に国家資格であり、金銭、時間、労力的な投資が必要だからなのです。

よって、単純に「給料が高そう」や「楽そう」
といった理由で薬剤師になることはおすすめしません。
責任や負担を考慮すると総合的なコストパフォーマンスは決して高くない職業だということを知っておく必要があります。

次に、薬剤師がどんなことをやっているのか?について説明します。
これが薬剤師という仕事を分かりにくくしている一つの原因でもあります。

医師=病院や診療所で病気を治してくれる人。
歯科医師=歯医者さんで歯を治してくれる人。
といったようにしっかりとイメージしやすいと思います。
しかし、薬剤師は働く場所が多岐にわたっているため、
一般の方にはどうしてもイメージしづらいです。

一言でいうと、「薬のプロ」なのですが
実際にどこで働いてるの?と疑問を持たれるかもしれません。
具体的には、病院、調剤薬局、ドラッグストア、保険所などが
薬剤師の業務としてイメージしやすい職場です。

病院内であれば、
入院患者さんの点滴や飲み薬はほとんど薬剤師がつくっていますし、
調剤薬局では処方せんに基づいて膨大な薬を管理、調剤して患者さんの手に薬を届けます。

もしかすると多くの一般の方は、
「ただ薬をそろえて渡してくれる人」
だという認識をもっているかもしれませんがそれは違います。

誰もが病院から薬をだしてもらった経験はあると思いますが、
その流れを思い浮かべてください。

病院に行くと、医師による診察があり病気を診断されます。
そこで医師が治療に薬が必要と判断した場合、
「処方せん」という紙が発行されます。
処方せんには、あなたの治療に必要な薬の種類と用法が書いてあります。

処方せんに書かれた薬を取りそろえたり、
量を測ったりすることを「調剤」といいますが、
これは医師でも行うことができます。
ただ実際には、医師は診察をしなければいけないので調剤することはありません。

この「調剤」という行為を医師以外で行うことができるのが「薬剤師」なのです。
そして、薬剤師は「処方せん」の内容が妥当で間違いがないか、ということを確認した後に調剤をして、患者さんに薬の説明をする義務があります。(法律で決められています)

処方せんに書かれた薬の種類や量に間違いがないか、
飲み合わせに問題はないか、
他の病院からもらっている薬と重複するものはないか、
などを判断するのが、実は薬剤師の大きな仕事のひとつなのです。

もし、その中で疑わしい点があった場合は、
電話などで医師に確認して訂正してもらわなければなりません。
これを「疑義照会」と言います。

仮に薬剤師がいなかった場合、
ほとんど薬の知識のない人が処方せんをみて調剤することになります。
もちろん処方せんの内容に関しては何も分からないので、
書いてあるとおりに患者さんに渡すことになります。

もし、その処方せんに誤りがあったら
そのまま事故につながるかもしれません。
もちろん薬剤師だからといって、
ミスや間違いがないかと言われると人間である以上100%は不可能です。

ただ、薬の知識をもった人間が介入することによって、
重大な事故や健康被害を少しでも減らせることは間違いありません。

これが、臨床現場で働く薬剤師の大まかな仕事です。
しかしながら、その他の薬剤師は他の現場で働いています。
一番イメージしやすいのは、製薬会社です。
病院や薬局にある薬は、すべて製薬会社が開発し製造しているのです。

やはりそこで働く研究者は、薬学を学んだ薬剤師が多いですし、
製造の管理なども国の規定により薬剤師が担当することになっています。

ちなみに私自身は薬局で働いており、
実際に患者さんとお話をして薬をお渡しする仕事をしています。
患者さんにより安全に薬を飲んでもらい、
疑問に対してしっかりとしたお応えができるように日々勉強が必要な仕事です。

このサイト「Next Pharmacist.net」は、薬や健康に関する情報を
できるだけかみ砕いて分かりやすく伝えたいという想いで運営しています。

Next=次世代の Pharmacist=薬剤師
を目指して少しでも社会に貢献していきたいと思っていますので、
私たちの仕事や薬のことについて少しでも知ってもらえたら嬉しいです。

以上、長文なってしまいましたが
最後までお付き合いくださり本当にありがとうございました。
これからも「Next Pharmacist.net」を宜しくお願いいたします。

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