「3時のおやつ」は科学的に正しかった!?

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今回は「second meal effect」
についての内容です。

「second meal effect」って何かというと、
簡単に言うと朝食をとった方が、
昼食後の血糖上昇が抑えられる効果のことです。

バルセロナで開催されている
欧州糖尿病学会(EASD2013)で
発表された報告からです。

◆試験法◆

試験方法はクロスオーバー無作為比較試験。
対象は、日本人の2型糖尿病(DM)患者です。
2型DM患者13人(男性:46%、平均年齢:68.5歳、HbA1c値:7.4%)

第1日目にCGMSを装着し
72時間継続して血糖を測定する。

第2日目と第3日目の2日は、
3試験食(7時、12時、19時)に加え、
12時半、または15時半に間食をした。

1日の試験食の総エネルギー量は1586kcalで、
間食はビスケット3枚(75kcal)とした。

つまり、昼食後のデザートを食べた場合、
15時半のデザートを食べた場合、
血糖推移はそれぞれどうなるかを調べたのです。

◆結果◆

昼食直後よりも15時半に間食をした方が
食後の血糖変動が小さく、
夕食後の血糖値上昇曲線下面積(IAUC 0-5)は
昼食直後の間食と比較して30%減少した。

また、昼食後の血糖ピーク値は、
15時半の間食をとった場合に比べて、
12時半の間食のほうで有意に高かった。
(6.6mmol/L 対 5.4mmol/L、P<0.01)

ただし、
平均血糖値、
血糖変動幅(MAGE)、
最大血糖変動幅(LAGE)は、
12時半と15時半の間食において違いは見られなかった。

つまり、HbA1cなど平均的な血糖値を
反映する検査値への影響は少ないけれど、
食後の高血糖状態を抑えるには効果的ってことだろうか。

発表者のコメントとしては、
「DM患者は間食しないのが一番だが実際には難しい。
もし間食するならば、昼食と夕食の間の15時半ごろに
食べるよう指導するのがよいと思われる。」とのこと。

確かに、それ以下でもそれ以上でもない(笑)
しかし、単純にこういう話は患者さん自身
興味をもてるところかと思います。

「おやつを食べるなら、3時ごろにちょっとだけ!」
これを多少、科学的な根拠を
もって言えるということですね。

◆おまけ◆

ちょっとおもしろい内容があったので引用。
興味があればどうぞ!
http://diabetologistnote.blog119.fc2.com/blog-entry-65.htmlより

妊娠糖尿病のADAのマニュアル
Medical Management of Pregnancy では、
食事指導に朝食を軽くすることが書いてあります。

朝食後の血糖値が上がりやすいので
そうしているのだと理解していました。
妊娠糖尿病の演題で引かれていた論文を読んでみました。

The Second-Meal Phenomenon in Type 2 Diabetes. Diabetes Care 2009; 32: 1199-1201
一般的に、朝食後に比べ、
昼食後の血糖値が上がりにくい傾向があり、
Second meal effect 呼ばれ、健常者で広く調べられてきた。

肥満のある糖尿病患者の食事負荷の検討でも、
1)朝食あり 2)朝食なしで昼食をとったところ、
1)に比べ、2)の方が血糖上昇が著明となった。

遊離脂肪酸(FFA)が高いとインスリン感受性が低下する。
FFAは、朝食をとることにより昼食前は朝食前より低下していて、
そのために昼食後の血糖値が上がりにくい。

3)朝食なしでもアルギニンを静注し、
FFAを抑えておくと、昼食後の血糖値上昇が抑えられた。

昼に比べ朝の血糖は上がりやすいので、
食事療法で厳格な血糖コントロールを目指すためには、
朝食を少なめにとることが必要で、
妊娠糖尿病の食事指導の内容もそれに沿っていることが分かりました。

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