今回は、「クリアランス」についてのお話です。
薬物動態学では、クリアランス(CL)という言葉が頻繁に使われます。
「腎クリアランス、肝クリアランス、クレアチンクリアランス。。。」といろんなところでクリアランスが登場します。
結局クリアランスって何なの!?と感じている人も多いのではないでしょうか。でも、薬物動態学では「1次速度」という概念と同じくらい重要な考え方です。
クリアランスとは
クリアランスはたった一言で表現できます。
クリアランスとは「1分間できれいさっぱりにできる血液量(mL)」のことです。
もちろん単位は変化します。(時間:sec・min・hr、血液量:L・mL)
なかなか一言で表現している教科書がないので、このように理解すると分かりやすいです。
ここで1つポイントがあって、「きれいさっぱり」ってどういうことか?ということです。
それは、薬物が全く入っていない状態ということです。
つまり、クリアランスとは薬物ではなく「血液」に焦点をあてたものです。
ここを間違えると、
訳が分からなくなるので注意が必要です!
例えば、腎クリアランスCLr=50mL/minの薬物Aという場合はどうか?
人の腎臓は、薬物Aを含む血液を1分間に50mL分きれいにできる(=薬物Aをまったく含まない状態にできる)ということです。
これがクリアランスという考え方です。
肝クリアランスであろうが、クレアチニンクリアランスであろうが同じです。
クリアランスを使って計算できるようになるためには、分布容積という考え方も必要になります。
次回は、この分布容積について学んでいきましょう!