こんにちは、しゅがあです。
すごく重要なご質問いただきましたので、回答していきたいと思います。
今回の質問のポイントは2点です。
①国試には、過去あまり出題されていない分野(領域)があるが、勉強すべきなのか?
②薬物間相互作用など、覚えるべき項目が膨大にある分野があるがどう対応するか?
これって皆に共通した悩みだと思うので、シェアしていきます。
質問者さんは、27年の第100回の国試を受けられる方ですので、勉強する時間は、4か月程度ということになります。
ということを念頭にお答えしていきます。
※あくまで私個人の意見であり、絶対的なものではありません!
【①の回答】
「国試に合格する」ということであれば、メジャーな領域(=過去よく出題されたところ)を優先すべきだと思います。
確かに、まったく国試に出題されていない項目というのも参考書には記載されていますが、優先度としてはかなり低いでしょう。
そして、実際に将来において役立つか、という観点からみても優先度はやっぱり低くなると思います。
これは人にもよりますが、「一度見ておく」ということが有効な人とそうでない人がいます。中には、さらっと読んでもはっきりと覚えているという実に羨ましい人がいます。
そういう特殊能力をもった人は、全体をさら~っと読めば万遍なく記憶に残っているのでマイナーな領域もカバーできるでしょう。
でも、僕なんかはさらっとみても何の記憶にも残らないんです。
つまり、万遍なく浅く勉強するというのがあまり向かない人なので、メジャーなところをしっかりと理解するという方針で勉強していました。
つまり、国試の戦略としては「確実に消せる選択肢を増やす」というものです。問題が5択だったとして、これだけは絶対にYES!NO!というものが2つ、3つとあれば正解にたどり着く可能性はかなり高まるでしょう。
精神衛生上は、すべての選択の正誤がはっきりと分かるのがベストですが、それは特殊能力のある方におまかせしようと思います。
結論としては、でない領域は余裕があればやってください、ということです。
あくまで、確実にすべきは圧倒的に出題される場所です。それがつまり、厚労省がおさえておいてほしい場所ということです。
コントラストをつけて勉強する、ということはすごく重要だと思います。
【②の回答】
これも①にかぶる部分があると思います。
はっきりいって薬の組み合わせが無限である以上、相互作用なんて全部覚えるなんて、永遠に不可能なわけです。
参考書には「表」になっていて、ば~っと羅列された項目があるかと思います。これもまた、特殊能力をもった人は、さらっと見ておくと覚えているらしいのですが、常人はきついと思います。
僕の勉強は、あくまで過去問主体でした。とりあえず、いきなり過去問をみていきます。そうすると、自分の足りない知識というのが自動的に見えてきます。
そして、過去問で出題された「問いとその解答」をみて、出題された内容に+αで覚えていくようなイメージです。
問題の解説って、周辺知識に触れていることが多いので、そこから参考書の前にもどっていくらか肉付けして覚えていくんです。そうすると、ちょっとずれた問題がでても解答できる確率が高くなっていきます。
前にもお話したことがありますが、参考書のテーマごとのまとめてある部分をノートに書き写すというのは、ほんとやめた方がいいです。勉強をやった気になるだけです。
まとめてあるのに、それを写生しても何の意味もないですから!
やるなら、自分の覚え方(ゴロや関連知識)なんかを書き込んでいったほうがいいです。
結論としては、「覚える」「覚えない」の判断は僕自身では決めていません。
出題された問いとその解答、そしてその解答に関する周辺知識をまとめていく。これを繰り返し行っていました。
いまでも、これは効率的かつ飽きにくい勉強法だと思っています。
問題に挑戦しながら実践の感覚を身につけ、なおかつ知識もどんどん効率的に増えていきます。
こんな感じですかね^^
ちょっとでも参考になれば幸いです!
P.S.
僕は、いまの薬学部の学習項目にはすごく不満があります。「薬剤師」として現場で働くには、ほっとんど役に立ちません。もっと臨床と実践の内容を盛り込んでいかないと、使い物になりません。
確かに1~3年で研究者の卵を育てるという意味では、幅広い分野を学ぶ機会があるというのは有意義なことだと思います。
しかしながら、医療現場を薬剤師を育成するにあたって優先度の低い内容が多すぎるのです。患者・医療現場が必要としている知識・技能からは解離しています。
これが薬剤師の必要性を低下させている元凶だと思っています。教育と変えていかないと、薬剤師の未来はないです。
という意味でも、「国試」はとりあえず通過すればよいものだと思います。薬剤師の資格にそんなに意味などありません。
学生の方には、ちょっと厳しい内容かもしれませんがそれが現実なのです。きれいごとをならべても仕方ないので、これを読んでくれている方には、はっきりとお伝えしたいのです。
だからこそ、僕は「自分で考える力」を養ってくださいってお伝えしているんです。自分の現状を把握して、そこからどう解決していったらよいか、まずはしっかりと考えてください、ということです。
そういう力を得るために、勉強しているんです。将来に役立つのは、勉強した内容ではなく、その姿勢である、ということを忘れないでください。
以上です!
コメント
その考え、今の私も感じています。
薬剤師の資格を取るための勉強をさせていても、何もならないですし、基礎系科目と応用系科目との移行の遅さは学生のやる気を削ぐことになりかねません。
私は、フットワークの軽さを駆使していろんな学会の市民講座や医療を考えるシンポジウムなんかに参加するようになって感じるのは、基礎系の科目と応用系科目・臨床系科目への相互の行き交いが行える学年を超えた教育が必要ではないかと思います。臨床系科目を勉強していると、薬の使われ方やいろんな治療の仕方があるんだとは思っても、
あまり感動しません。なぜなら、二年・三年も、基礎科目だけにつぎ込まれた挙句に、
臨床科目もと言われても、楽しめるはずがないと思います。
国家試験に受かるだけの勉強をしていれば、そりゃ合格するでしょう。
でも、臨床に出た後、即戦力としてそれで現場において他の職種と連携していけるのでしょうか。答えは、ノーであると思いますし、臨床に近い勉強における時間がごく限られていることも、モチベーションを下げる原因になっていると思います。
何のために、薬学部が存在するのか、医学部・看護学部と同様に現場に即戦力になる人材育成を本当に行うことが求められているとも思います。