アルツハイマー型認知症にDHAは効くの?

s-dha

日経DIのコラムを読んでの感想記事です。
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軽度のアルツハイマー型認知症にサプリメントは有効か

研究そのものの結果としては、「DHAによる有意な認知症抑制効果はない」ということでした。
※あくまで一つの研究結果なので、この結果そのものは参考として使うべき。

認知症の治療というのは、僕の中でもかなりグレーというか、はっきりしないものだという印象があって、このコラムを読んでもそのイメージは変わりませんでした。

たしかに、どこからが「認知症」という客観的な指標はこの世にはないわけで。ただの物忘れとか、いわゆる自然現象としての「ぼけ」なのかは、時代や文化によって違うものだと思います。

僕は「言葉」が病気をつくる、と一部思っていて、うつ病や認知症というのはその代表ではないでしょうか?

実際に患者さんと話して感じるのが、本人の自覚や希望とは全く関係なく、薬を開始している例がほとんどであるということです。

確かに、知識の少ない患者に対して、服用の判断を委ねるのはいかがなものか?という意見もあるかもしれません。ただ、逆にいうと本人の意志をまったく含まない薬の投与はどうなのでしょうか?

コラムでも記載がありましたが、認知症の薬は服用開始が早いほど、死ぬまでに薬を続ける服用期間は長くなります。それはある意味、「認知症」という「言葉」と「診断」により「自分は認知症だ」というレッテルを貼られて生きる期間が長くなることでもあります。

もしかすると、ただの自然なぼけとして一生を終えられたかもしれないのに。薬を飲むことで、病気に変わってしまう場合もあるということです。もちろん進行を止めたり、完治するのであれば別の話ですが。

うん、すごく記事タイトルとは離れてしまいましたね。
ちょっと話を戻しましょう!

コラムでは、”DHAサプリメントは、「物理的には認知症に影響を与え得ない介入」ではありますが、「主観的には認知症に影響を与え得る介入」として、意味があるのかもしれません。”という言葉で締めくくっていました。

これは、一言でいうと精神安定剤、プラセボとしての役割を期待して使うのであれば、私たちはそれを否定することはできないでしょう、ということです。

DHAを今まさに買おうとしている患者に、
・DHAは認知症には効きませんよ!と、事実(1つの研究結果)を伝えるか?
・「効くかもしれませんよ!」と言って積極的に売っていくのか?
は1人1人の薬剤師に任されているということでもあります。

どちらになりたいか?は、ま~~それぞれの判断で、ということになるんですよね。難しいですね、本当に。

しかし、突き詰めていくと、無意味・無駄なことにより経済は回っているし、そういうものを信じて欲する人も多いのも事実です。また、統計によって「真理」を導き出すことも不可能なのです。

結果、当の本人が満足すればよい、という極めて主観的な結論に達してしまったりもします。どちらが正解ともいえない、答えのでないテーマです。

そういう世界で、医療人として、科学者のはしくれとして何かできるのだろうか?ともがいていくしかないのではないでしょうか。

あなたがもし「認知症」だと医者から言われたら、

DHAを摂る?それとも、摂らない?」

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コメント

  1. 猫好き より:

    こんにちわ、猫好きです。
    難しい記事でありましたが、関心をそそられる記事であったように思います。
    DHA・EPAの摂取によって、血流改善が見られ、脳への血流促進が考えられるのではないかと、医師である父は推測しており、自身もロトリガの投与を行っています。
    (ちなみに、私もEPAの持田のエパデールS90を愛飲しています。)
    正直今回の記事のように、プラセボ効果を期待して飲む分には、一向に構わないと思います。しかし、臨床試験における結果の一つとして、科学的証拠を持たないまま、漫然と医師の経験則において投与されるのは、少し考え物であると思います。
    ただ、経験則に基づいているとはいえ、実際に患者さんに対して効果が見られていたことがあるので、実績に基づくベース処方として投与しても考えても間違いではないと思います。正直、どうするべきなのか全くわかりませんが…。