便秘ぎみで病院から「酸化マグネシウム」がでている患者Aさん。
話していると、
「治らないから先生には内緒でコーラックを買って飲んでいるの。」
こんな時どう対処するか?
コーラックの主成分はビサコジルという薬剤で
一晩のうちに腸の蠕動運動を促して便秘を解消する薬です。
コーラックは5層コート構造になっていて、
腸溶錠といって胃や十二指腸ではなく、
小腸や大腸で溶ける錠剤です。
つまり、胃内の低いpH(酸性環境)では
溶けずに、腸内の高いpH(アルカリ性環境)
で溶けるようになっているのです。
で、これがどういうふうに関係あるの?
という話ですが、Aさんが病院からもらっている
「酸化マグネシウム」という薬と関係があります。
この薬は、便を柔らかくすることで
下剤として作用するほかに胃酸の中和作用もあります。
つまり、飲むと胃の中がアルカリ性に傾いてきます。
ここで、コーラックを併用すると、
胃内で主成分が溶け出してしまい、
効果が出ないばかりか、嘔吐や下痢といった消
化器症状が起こる危険があります。
また、食後すぐに飲んだり、
牛乳に含まれている脂質によってコーティングの膜
が溶けたりすると同じような状況が起こります。
だから用法には「食後」ではなく、
「おやすみ前、または排便期待数時間前に服用してください。」
と書いてあるのです。
以上をまとめると、
★制酸剤(酸化マグネシウムなど)や牛乳と一緒にコーラックは服用しない。
もしどうしても併用した場合は、1時間以上は時間をおくことが大切です。
一般用医薬品の下剤は、
ダイエット目的で気軽に使用されたり、
漫然と連用・過剰服用されることがよくあります。
コーラックにに含まれるビサコジルなどの
「刺激性下剤」は強い排便促進作用をもつ一方で、
依存性や習慣性が現れやすいという性質があります。
また、平滑筋収縮が障害されて
大腸輸送能の低下や腹痛が起こることもあります。
よって、こういった下剤のみに頼るのではなく、
食物繊維を多く含む食事や
便秘に有効な気軽にできる運動なども大切にしていきましょう。
具体的には。。。?
2. 朝、冷たい水や牛乳を飲み腸を刺激する。食物繊維をとり、1日3食を心がける。サラダのみや偏った食事などは避け、適度の脂肪をとることで腸管が滑らかになり、便の通りがよくなる。
3. 運動で消化器を活発にする。軽い腹筋やマッサージも効果的。腹部のマッサージは、腸の蠕動運動を促す。
できることから1つずつ始めてみてください。
薬から解放されることが最終的な目標です!