薬物動態学×半減期
-dX/dt=ke・X
-dX/dt:薬物消失速度
X:体内薬物量
ke:消失速度定数
この式がぴんと来ていない場合は、
第1回~第4回をみてください^^
では、半減期を計算するために、
この式を変形しましょう。
1/X・dX=-ke・dt
これをt:0 ⇒t、X:Xo⇒Xで積分すると、
lnX=-ke・t+lnXo
となります。
(ここは数学なので、忘れた時は復習を!)
Xは体内薬物量で、C(血中濃度)はXに比例するので、
lnC=-ke・t+lnCo
と表せます。
引用元:日本臨床薬理学会
これをみると分かりますが、
スタートの血中濃度に関わらず、
半減期(濃度が半分まで減る時間)は一定です。
これは、「薬物量に応じて消失(代謝)速度が変化する」
ことから起こる現象なのです。
ではさっきの式に、
t=t1/2、C=1/2Coを代入すると、
ln(1/2Co)=-ke・t1/2+lnCo
t1/2=ln2 / ke
⇒t 1/2=0.693 / ke
これも覚えて使っていく式になってきますが、
忘れても簡単に導くことができます。
半減期は放射性物質などでも観測される現象ですが、
薬物動態学では最も肝となる指標となります。
その原理・しくみをしっかりと理解しておくことが大切です。