HbA1cの2つの表記

HbA1c

目次

HbA1cとは?

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
⇒血中総ヘモグロビンに占める糖化ヘモグロビンの割合を示したのもの。
つまり。。。?
血中に糖分が増えると、たくさんの糖分(ブドウ糖)がヘモグロビンにくっつくので値は上昇するってことですね。

「血糖値」と比べ、直前の食事の影響を受けず、日内変動のばらつきが少なく、
過去1~2か月間の血糖値の平均を反映する長期血糖コントロールの指標として用いられています。

2つの表記法

日本では1990年代前半からJDS値(Japan Diabetes Society)が使用され、
国際的(米国など)にはNGSP値(National Glycohemoglobin Standardization Program)が80年代前半から使用されてきました。

この2つの違いはなんなのかというと、単純に測定機器や評価方法の違いです。
何かを測定するときには、測定条件(温度、時間等)が違うと同じ検体(血液)を使っても違う測定値が出てきます。
JDS値とNGSP値についても、原理とか考え方は全く同じですが、結果としてでてくる数値がズレているだけなのです。

今はJDS値とNGSP値が併記されていてややこしいですが、今後(2013年4月以降)はNGSP値に一本化するそうです。
JDS値からNGSP値に変換するには、
「NGSP値=1.019×JDS値+0.30」なんですが、面倒なので0.4をJDS値に足すとNGSP値になるってことにしています。

じゃあ血糖値は0.4高くなるの?

心配はいりません^^;
書き方が変わったら、基準も変わります。
現在の糖尿病の診断基準は、
「JDS値で6.1以上、NGSP値ではそれに0.4を足した6.5以上」になっています。
この移行期間で、「最近HbA1c上がってしまったな~」と勘違いしないように気をつけましょう!

そもそも、なんでNGSP値に変えるの?

患者さんにとってはJDS値をそのまま使っても何の問題もないのですが、研究分野ですごく不便なのです。
日本だけ独自のJDS値を使っていると、海外の臨床データなどを使用したり、論文を作成したり発表するときに間違いのもとになったり、正確な比較がしにくくなります。

あと、仮に海外で治療を受けることになった時などに、NSGP値を使っておけばスムーズかつ安全に治療を受ける事もできます。
だから日本の臨床でも、NGSP値に統一しましょうってことになったのです。
移行の期間はちょっと混乱があるかもしれませんが、変わってしまえば何にも抵抗はなくなると思うので、それまでの辛抱です^^
では!

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