役立つ半減期の使い方
半減期とは、体の中にある薬の量が
半分になる時間のことです。
代謝能力に上限がない場合、
言い換えると代謝が飽和しない時には、
半減期は薬の量に関係なく一定です。
で、本題です。
この半減期って実際に臨床で使うときには
どのように考えたらいいのでしょうか?
半分になる時間が分かっても、
そこから臨床的な意味はなかなかイメージできません。
単純に、薬物間で比較することはできると思いますが、
今回は簡単に応用する方法について説明します。
結論から話すと、半減期を使えば、
「薬の効果がきれるまでの時間」
が分かります。
細かいことを言うと、そう単純ではないのですが、
薬が体からなくなれば(血中濃度が十分に下がれば)、
薬の効果は消失します。
実際に使う考え方は、
「半減期の4~5倍の時間が経てば、ほとんどの薬は代謝されて
効果がなくなる。」
というものです。
このまま覚えてもいいのですが、
”なぜ?”を説明できなければ専門家じゃないですよね^^
なので、下に計算式を記載します。
なぜこの式を使うのか疑問に感じる場合は、
第5回をご覧ください!
つまり、半減期の5倍の時間がたてば、
97%の薬は体内から消失していることになります。
ちなみに、半減期の4倍だと93%になります。
投与から1割程度まで薬物量が減ったら、
ほぼ薬の効果はなくなるだろうと考えるわけです。
添付文書には、半減期の記載がありますから、
それを5倍してあげるとほど薬は体からなくなるんだな
っていう感覚をもっているといいかもしれません。
薬物動態学は理論的に体内の薬の流れを考える
学問ですが、実際に臨床でそれを使えなければ、
何の意味もありません。
精密機器を用いた測定はできなくても、
基本的な考え方を身につければ、
投与設計の指針にできる思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
コメント
薬学2年生で動態を学んでいるものです。
薬物動態の苦手意識が消えていきました。
更新楽しみにしてるんでよろしくお願いします。
えくれあ さんへ
コメントをいただきありがとうございます^^
少しでも薬動が苦手の方のためになればと思っていたので、お役に立ててよかったです。
拙い文章ですが、今後ともよろしくお願いします。