◆ちょこっと学習メモ◆
【ポイント】
PPIが投与されていると、検査が偽陰性になる恐れがある。
【解説】
PPIや一部の防御因子増強薬など、ピロリ菌の静菌作用をもつ薬物を服用している患者に感染診断を行うと「偽陰性」を示すことがある。
特にPPIを服用中の患者では、尿素呼気検査(UBT)で偽陰性を示しやすい。
(国内外の研究で6~61%と幅はあるが、高い偽陰性化率が示されている)
★要因は?
PPI自体が弱いながら静菌作用をもつことや、胃内PHを上昇させてピロリ菌のウレアーゼ活性を低下させることなどが考えられている。
★ガイドラインでは?
どのピロリ菌検査においても、少なくとも2週間は中止するように推奨されている。
★対策は?
検査の2週間程度前からH2ブロッカ-に変更する。
H2ブロッカ-にピロリ菌の抗菌作用認められないことが報告されている。
ただ一部の症例では胃内pH上昇により、UBTで偽陰性を呈する可能性あり。