夜の寝汗は低血糖症状?

低血糖×

◆低血糖症状の進行◆
インスリン注射などで治療を行っているときは、
「低血糖」を起こさないというのがとても重要な課題になります。

血糖は患者さんの生活の質=QOLを低下させるだけでなく、心血管疾患や認知症の原因になってしまうことも報告されています。

つまり、血糖を十分下げることは重要ですが、ブドウ糖は体(特に脳)にとって必須の栄養素なので下げすぎには十分注意しなければなりません。

それでは、低血糖とその症状について簡単なメカニズムを説明します。

血糖値が低くなると、交感神経が活性化します。
(交感神経とは自律神経のうち、興奮時や緊急時に働く神経です。)

グルカゴン、アドレナリンといった「インスリン拮抗ホルモン」の分泌が亢進します。

これにより、糖新生が促され、血糖値が上昇する方向に働きます。

それと同時に、アドレナリン神経系による発汗、振戦(ふるえ)、空腹感など交感神経症状が生じます。
血糖値の目安:50~60mg/dL

さらに低血糖の低下が進むと、不機嫌、めまい、眠気など精神症状が表れます。

もっと低下してしまうと、意識消失、昏睡、痙攣といった重篤な中枢神経症状が起こります。
血糖値の目安:30mg/mL未満

◆無自覚低血糖とは?◆
低血糖症状を繰り返すと、交感神経症状発現の閾値が低下してしまいます(ちょっとの刺激で強い反応がでるようになる)。

そうなると自覚症状がでないまま、いきなり中枢神経症状(意識消失、昏睡、痙攣)が起こってしまうことがあります。

このような状態がになってしまった場合は、以降3週間以上は低血糖症状を起こさないようにしていくことで次第に改善していくことが報告されています。

特に、夜間睡眠時に患者が気づかないまま低血糖を起こしていることがあります。
これを「夜間低血糖」といいます。

症状としては、起床時の頭痛、多量の寝汗、睡眠の質の低下などがあります。
もし夜間低血糖が疑われる際には、持続的な血糖モニター(CGM)などが必要になります。

インスリン注射剤には、超速効型や持続型など効果の持続時間の違うものがあり、それらを症状に合わせて組み合わせます。

インスリン注射は非常に効果的な薬ですが、使い方や量を間違えると命を落とすこともある危険な薬でもあります。

もし、特定の時間帯に体調が悪くなったり、頻繁に低血糖症状が起こるようなら、しっかりと医師に伝え、適切な注射剤と単位数を設定してもらいましょう。

では!

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