断定の恐怖
「この薬を飲んでも大丈夫でしょうか?」
この質問に対してどう応えるのか、
はすごく難しい。
質問者からすると、
はっきりと大丈夫ですと言ってほしい。
ただその「大丈夫です」とは真実だろうか。
それが100%という意味で言っているのであれば
それは「嘘」になるだろう。
だって、100%で言えることって
この世にないから。
知識は知れば知るほど、
はっきりと判断やアドバイスができなくなるもの。
だってそれだけ選択肢や可能性は
無限に増えていくわけだから、
確実なことって言えなくなる。
1つのことしか知らない人は、
最初から思考の可能性は一つだけ。
その分だけ、ある意味で
自分の言葉に自信をもてるってことでもある。
知っている人ほど、
悩むし、断定は避けたいと思う。
でも、質問者ははっきりしてよ!って思うだろう。
それもすごく分かる。
薬剤師だけではない。
専門職や自分の分野について何か質問されたとき、
どう応えるか?
断定は避けて、
「~かとは思いますが」
「~の可能性は低いです」
などと濁すのか。
それとも90%以上の確率なものに関しては
「~です」
「大丈夫です」
と応えるのか。
ニュアンスとしては、
後者の方が責任が重い実感がある。
その「責任」を負う覚悟があるのか。
非常に難しい問題だ。
皆さんの意見を聴いてみたいものである。
コメント
そんな時に僕が患者さんに言う決まり文句は
判断に難しいものは否定の否定文で応えるようにしています。
例を挙げるなら「絶対に駄目ということはありません」と答えるようにしています。
これは先輩から教えてもらったことで最も臨床で役立つ言葉の一つだと思います。
ポイントは患者さんに駄目な場合とそうでない場合の明確な基準を伝える点にあると思います。
基準が分かれば、多くの患者さんは安心するケースが多いかと思います。
断定的にするのは覚悟がいりますし、科学、医学に絶対はない以上、断定すること事態がナンセンスな気がします。
でも基準を与えた上で患者さんに判断してもらうのはフェアだと思います。
アメリカ人的考え方でしょうかね笑
あくまでも僕の意見です。
ただ患者さんからすると、誰かの”保証”がほしいんですよね。
「大丈夫です!」
とはっきりと言ってほしいんだと思います^^
細かいところなのかもしれませんが、なかなかの葛藤ポイントですね(笑
貴重なフレーズ、ありがとうございます!
できるかぎり自身をもって発言できるよう、鍛錬は欠かせませんねb