【副作用学講座Vol.14】薬を飲んでネフローゼ症候群になる!?

ネフローゼ症候群とは?

単一の疾患名ではなく、様々な原因により発現する症候群全体のこと。

腎臓の糸球体の障害が起こり、尿細管から血管への再吸収が間に合わなくなり、多量の蛋白質が尿と一緒に漏れてしまう状態。

診断基準の復習です!

①尿蛋白量が1日3.5g以上

②血中総蛋白が6g/dL、血中アルブミンが3g/mL以下

③血清コレステロール値が250mg/dL以上

④浮腫がある

以上の4つです。このうち①と②が必須の項目です。

早速ですが、
薬剤性のネフローゼ症候群とは?についてです。

原因となる代表的な薬剤は、以下の2種類です。

・抗リウマチ薬(DMARDs)

・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

まず、抗リウマチ薬によるネフローゼは
「薬物過敏症」つまり薬剤アレルギーが
主な機序だと考えられています。

発現時期は投与開始後3~6ヵ月が
最も多く1年以内が大半を占めます。

ただし、抗リウマチ薬による腎障害の
発現頻度は用量依存性があると言われています。

一般に過敏症単独によるものであれば、
用量は微量でも発生するため、毒性など
他の原因もあるのではないかと考えられています。

次にNSAIDsについてです。
たくさんの種類がありますが、

・フェノプロフェンCa(フェノプロン)
・インドメタシン(インテバン)
・ナプロキセン(ナイキサン)
・ジクロフェナクNa(ボルタレン)
などが知られています。

また、チオプロニン(肝疾患治療薬)、
ACE阻害薬、インターフェロン製剤、
造影剤などでもネフローゼの報告があります。

このうち、チオプロニンとACE阻害薬の
カプトプリルは、抗リウマチ薬のブシラミン、
ペニシラミンと同様に-SH基を構造中にもっています。

この-SH基が糸球体成分と結合して障害を
起こしている可能性が考えられており、
過敏症以外の機序も疑われています。

このように考えていくと、-SH基をもつ
他の薬剤でも同様にネフローゼを起こす
かもしれないなという視点をもつことができますね。

起こってしまった副作用について、
薬の構造から考えをめぐらすことが
できるのは薬剤師の強みです。

特にアレルギー性の副作用は、
薬の「構造式」が原因で起こることが
ほとんどなので、その視点をもつことで
構造類似薬によるアレルギー再発は回避できるはずです。

最後に、ネフローゼの注意すべき
初期症状をまとめて終わりたいと思います。

・尿の量が少なくなる乏尿

・全身の顕著な浮腫(むくみ)

・胸水や腹水の貯留による呼吸困難

・腹部膨満感

⇒「体がむくんで体重が増えたり、尿の量が減って赤みを帯びたり、尿が泡立つときはすぐに教えてください」

こんな指導が大切になります。

以上、簡単ではありますが
薬剤性によるネフローゼ症候群についてでした。
ではまた!

参考:どんぐり式 薬局副作用学のススメ 「まず疑え」から始めよ (日経DI薬剤師「心得」帳)

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