頭痛と市販薬のエッセンス

頭痛薬って市販薬の中でも、購入頻度ではトップの方かなと。
いろんな成分があるけど、特徴がいまいち分からないって人も多いと思うので、今回はそれについてシェアしていきたいなあと思います。

の種類

まず頭痛は2種に分類される。
・一次性頭痛(片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛)

・二次性頭痛(別に疾患に由来する)

このうち市販薬・OTCで対応できるのは、緊張性頭痛と軽度の片頭痛だけ!
二次性頭痛はドクターに診てもらって原因特定と医療用医薬品で対応することになる。

緊張型頭痛とは?
1か月で15日未満の反復発作性と
ほぼ毎日ある状態が6か月以上続く慢性のもがある。
反復性で筋収縮(肩凝り、首の痛みみないなの)があるとき、NSAIDsが有効性が高いと言われている。

片頭痛とは?
頭痛の前にキラキラした星☆が見えて、視界がかすむといった症状。
吐き気、嘔吐を伴うほか光や音に敏感になることも多い。
女の人の場合は月経前に起こる事が多い。
で、OTCで対応できるのは、軽度から中程度のものでアスピリンとアセトアミノフェン、カフェインの配合剤(AAC処方って言います)が勧められる。
イブプロフェン、アスピリン単味、アセトアミノフェンの単味もOK。

成分の

◎解熱鎮静成分
イブプロフェン
(プロピオン酸系)
抗炎症作用>鎮痛・解熱作用
作用発現時間:1~2時間
持続時間:3~6時間
半減期:1.8時間
ちょっと効き始めが遅いけど、長めに効くバランスのいい薬かな。

ロキソプロフェン(プロピオン酸系)
抗炎症作用も鎮痛・解熱作用ももってる。
プロドラック⇒胃腸障害が少ない。
作用発現時間:0.45~0.79時間
持続時間:1.3~2時間
半減期:1.3時間
すぐに効くけど、効果短いってのが特徴かな?

イソプロピルアンチピリン(いわゆるピリン系)
鎮痛作用>抗炎症作用
中枢性で即効性あり。
鎮痛・解熱薬と配合した時に臨床効果が高い。
ピリンアレルギーのある患者には禁忌!

アスピリン(サリチル酸系でピリン系ではないので勘違い注意!)
中枢性の知覚神経を抑制し、末梢性では痛覚の過敏状態を抑える働きがある。
作用発現時間:0.5時間
持続時間:6時間
半減期:2~5時間
古~い薬だけどなんだかんだで優秀で欠かせない存在ですよね^^

エテンザミド(サリチル酸系)
単独で使われることはない。(そうなんだ^^;)
アセトアミノフェン、カフェインと併用したACE処方が有名な薬。

サザピリン(サリチル酸系)
体の中でサリチル酸そのものに分解され効果発揮。
持続時間が長く、胃腸障害が少ないのが特徴。

アセトアミノフェン(アニリン系)カロナールで有名ですね!
COX3阻害とかいろんな機序がいわれている薬だけど、いまだに詳細は分かっていない薬ですね。
中枢性の解熱鎮痛作用を示す。
作用発現時間:0.5時間
持続時間:3~4時間
半減期:2.6時間 新生児で5時間
最も安全で使いやすい薬として知られています。

◎催眠鎮静成分
緊張性頭痛に薦められるが、眠気を起こしやすいので注意が必要。
ストレスが強くいらいらを訴える患者に有効な成分。

ブロムワレリル尿素
大脳皮質に作用し、意識の麻痺を起こして鎮痛作用を強め、鎮静作用をもつ。
過剰摂取による臭素中毒に注意が必要。
作用発現時間:20~30分
持続時間:3~4時間

アリルイソプロピルアセチル尿素
同様に鎮静、鎮痛作用を高める。乗り物酔いの薬に配合されている。

◎中枢興奮成分
カフェイン、無水カフェインなど。
脳細動脈に直接作用して、脳血管の収縮により血流量を減少させ、鎮痛効果を示す。
また中枢興奮作用により頭痛によるだるさ、集中力の低下を改善。

◎生薬成分
カンゾウ~グリチルリチンによる抗炎症作用
シャクヤク、ショウガ~鎮痛作用
ジリュウ~解熱作用

◎制酸成分
合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト
胃酸の中和や抗ペプシン作用あり。
NSAIDsによる胃腸障害を軽減。
アルミニウムを含んでいるため、長期服用によるアルミニウム脳症、骨症に注意。

one point

 受診を勧めるのはどんなとき!?

・群発頭痛
眼の周囲から前頭部、側頭部にかけての激しい頭痛が続いたり、涙や鼻水といった症状もみられるときに疑う!
⇒医療用医薬品のトリプタン系の適応になるためOTCでは対応不可!

・クモ膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎
突然の頭痛、今までに経験したことのない頭痛、頻度や程度が増していく頭痛、神経脱落症状(運動や知覚の障害)などを訴えている場合
⇒速やかな治療が必要なため、受診勧告へ。

・薬物乱用性頭痛
鎮痛薬を服用しすぎて痛みの感受性が高くなり、軽い頭痛でも強い痛みを感じ、さらに鎮痛薬を服用せざるを得ない状態。
OTCの鎮痛薬を1か月に10日以上、または週に3日以上服用している患者には受診を促す。

市販薬にはいろんな成分が配合されていて、なかなか自分にあったものを探すのは大変かと思います。
成分や製品の特長を知ったうえで、患者の症状や生活状況にあったものをアドバイスできるといいですね^^
で、やっぱり大事なのは受診との見極めかなと思います。
頭痛には命にかかわる疾患と関連するものもあるので、そのあたりも観察できるようになるといいですね!

では!

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