アルドステロンとは何か?-RAA系と薬の関係も理解しよう!

今日は、高血圧治療の要ともなっている「アルドステロン」について解説していきたいと思います。

なぜ、アルドステロンかというと、個人的に頭の中でこんがらがりやすいからです^^;

カリウムが上がるんだっけ、下がるんだっけ?偽アルドステロン症になると、どうなるんだっけ?などなど。。。

今日はACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)にも関連して、そんな所をすっきりと整理してもらう助けになればと思っています^^

では、早速本題にきますよ!

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アルドステロンとは

まぁ、細かいところはウィキペディアなんかを見てもらえれば事足りるわけですが(笑、超基本的なイメージとしては、「ナトリウムを体からでないようにして、血圧をあげる」ということで問題ないです。

単純に、血管のなかにナトリウムがたくさんあれば、浸透圧で血液に含まれる水分は増えますよね。ホースのなかを流れる水が多くなれば、水圧が高まりますよね?

シンプルにいえばそんな感じ。

でも、それだけだと薬の副作用とかを考えるときには不十分なんですよね。。。

だから、ちゃんと薬理を勉強しないとならんとです。

ぜひ最後までついてきてください^o^なるべく、最後はすっきりするようにしますんで!

アルドステロンの合成

とりあえず、流れを示した図を載せときます!(http://www.adalat.jp/より)

RRA

これがいわゆるRAA系(レニンーアンジオテンシンーアルドステロン系)と呼ばれているシステムで、これらの各生成物の働きによって、人の体はミネラルと血圧とかを調整しているんですね。

(もちろんこれだけじゃないですよ!体はもっと複雑なものなんです^^;)

さて、体にあるすべてのホルモンは、なんでも材料から合成しなくてはいけません。

アルドステロンがどこでつくられるかっていうと、副腎の球状層という部分です。ここんところを詳しく知りたい方はウィキで復習を!
ウィキペディアで副腎の復習する

つまりはですよ。腎臓の上っ側についている、副腎っていう組織。そのまわり部分を皮質っていうんだけど、皮質の一番外っ側の部分でつくられているというわけです。

なんで、そこでつくられるかっていうと、アルドステロンを合成に必要な酵素が、球状層しかないからです。

んで、そこで合成されたアルドステロンは出動に備えて備蓄されているわけです。そして、いざアンジオテンシンⅡというペプチド(アミノ酸がいくつかつながったもの)によって副腎が刺激されると、ついにアルドステロンが分泌されます。

ん~、ここまできたら、もはやRAA系について復習したくなっちゃいますよね?笑

なんで、ここで復習しちゃいましょう!

RAA系の復習しようぜ!

ステップ1:レニンの分泌

アルドステロンは、そもそもRAA系のゴールにあたるところなので、そこからさかのぼってスタートからみていきましょう!

そもそもRAA系がなぜ働き出すか?っていうところですね。

RAA系が働くと、結果として血圧が上がるんでしたね。つまり、血圧が下がる=血液量(細胞外液量とも表現します)が減ることでRAA系が活性化するわけです。

じゃあ、どこでそれを感知するかというと「腎臓」です。

腎臓と一言いっても、これまた構造が複雑で、腎臓だけで1つの長編記事が書けるくらいなんですが、今回はそこまで突っ込まないようします笑

簡単にいうと、腎臓は入口から血液を流し込んで、それを濾過して尿をつくって出口から排泄しています。

その腎臓の入り口にある血管を「輸入細動脈」っていいます。この血管に流れる血液の量が少なくなると、そこにある圧受容器が反応して刺激を出します。

その刺激は、その近くにある傍糸球体細胞という細胞に伝わって「レニン」という酵素を分泌します。

これが、RAA系のスタートです!

ステップ2:アンジオテンシンⅠの生成

RAA系の原材料となるアンジオテンシノーゲンというペプチドは、もともと血液中に流れています。

アンジオテンシノーゲンは肝臓や脂肪細胞で生成・分泌されて、その出番がくるまで血中を巡回しています。

そして、腎臓からレニンが分泌されると、血中を流れるアンジオテンシノーゲンと出会って、アンジオテンシンⅠに変換させます。

ちなみに、RAA系の各生成物はこんな感じでアミノ酸がつながった構造をしています。

アンジオテンシノーゲン:Asp – Arg – Val – Tyr – Ile – His – Pro – Phe – His – Leu – Val – Ile -…(453アミノ酸)

アンジオテンシンI: Asp – Arg – Vla – Tyr – Ile – His – Pro – Phe – His – Leu – OH

アンジオテンシンII: Asp- Arg – Val – Tyr – Ile – His – Pro – Phe – OH

レニンは、アンジオテンシノーゲンのLeu(ロイシン)とVal(バリン)の部分をぶった切ることで、10個のアミノ酸からなるアンジオテンシンIを切り出してきます。

なので、RAA系のイメージとしては、大きなペプチドからどんどん活性の強いものを酵素によって切り出していくイメージなんですね!

ステップ3:アンジオテンシンⅡの生成

生成されたアンジオテンシンⅠは、血流にのって全身を巡ります。

そして、次に向かうのは「肺」です。

というのも、アンジオテンシンⅡに変換してくれる酵素(アンジオテンシンⅠ変換酵素:通称ACE)が、肺の血管内皮細胞に多く発現しているからです。

そこで、アンジオテンシンはⅠからⅡに変換されて、ついに血圧を調整するパワーを得ます。

アンジオテンシンⅡは、アルドステロンを分泌させる働きがありますが、それ自体に血圧を上げる働きをもちます。

【アンジオテンシンⅡの働き】

・細胞質内にCa2+を流入させることにより血管を収縮させ血圧を上昇させる。

・副腎皮質球状層のアルドステロン合成を促進し、分泌させる。

・視床下部に作用して口渇感とADH(抗利尿ホルモン)放出を促す。

・近位尿細管でNa+の再吸収を促進させる。

・レニン分泌を抑制する。(フィードバック効果)

とりあえず、いろいろな効果によって体内のミネラルや水分が過度に減るのを防いで、血圧を上げるような働きがあるわけですね。

つまり、こいつの働きを抑えてやれば血圧を下げられるかもしれないって考えられます。実際に開発されたACE阻害薬やARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)はこれをターゲットにしています。

ステップ4:アルドステロンの分泌

それでは、最後にアルドステロンの具体的な働きについてみていきましょう!

RAA系が順調に進むと、アンジオテンシンⅡからの刺激によって副腎の球状層からアルドステロンが分泌されます。

アルドステロンの働きを簡略化するとこんな感じになります。

arudosuteron

あくまで、簡単にイメージするとなんですが、こういうシンプルなモデルっていうのも時には大切だと思います。

アルドステロンが腎臓の遠位尿細管にくると、主に基底膜側のNa/K-ATPaseを増やす方向に働きます。

これは発現を増やすって書いてあるものもあるし、リクルート(細胞質にあるNa/K-ATPaseを細胞膜に移行させる)と書いてありますね。

まぁ、いずれにしてもこNa/K-ATPaseは、Naを血液側に排出して、Kを細胞内に取り込む働きがあるので、細胞内のNaが減り、Kが増えることになります。

そうすると、刷子縁膜にある濃度変化に従ってNaチャネルからNaが細胞内に流入して、KチャネルからKが尿側に流れていきます。

これがアルドステロンの重要な働きのひとつなんですね。

この流れがイメージできれば、あとは薬の効果だったり、副作用だったりがイメージできるようになるはずです!

偽アルドステロン症とは

よく副作用で耳にすることのある「偽アルドステロン症」という病態。

これは、アルドステロンそのものが増えるわけではなく、何らかの原因によってアルドステロンが効きすぎたような病態を示したものをいいます。

有名なのは、漢方薬などに含まれる甘草の成分、グリチルリチンによるものです。

詳しく知りたい方は下の記述を読んでみてください!見たくない方は飛ばしてください(笑

アルドステロンなどのミネラルコルチコイドはミネラルコルチコイド受
容体 (MR) を介して、コルチゾールなどのグルココルチコイドはグルココ
ルチコイド受容体を介して、その生理作用を発揮する。しかし、コルチゾ
ールはアルドステロンと同程度の親和性で MR にも結合する。腎尿細管な
どのアルドステロン標的臓器には 11β-hydroxysteroid dehydrogenase
(HSD) 2 が発現し、正常でアルドステロンよりも圧倒的に高濃度で存在する
コルチゾールを、MR に結合しないコルチゾンに変換することで、MR がコル
チゾールにより占拠されるのを防いでいる。甘草あるいは GL で生じ
る本症は、当初、経口摂取された GL の代謝産物である、グリチルレチン
酸 (GA) 自体のミネラルコルチコイド作用が原因と考えられていたが、実
際には GA により 11β-HSD2 の活性が抑制され、過剰となったコルチゾー
ルが MR を介して、ミネラルコルチコイド作用を発揮することにより生じる
ことが明らかとなっている 。なお、AME 症候群の多くは、遺伝子の異常
により 11β-HSD2 の活性が失われたものである 。一方、フッ素含有ステ
ロイド外用薬による場合は、医薬品自体のミネラルコルチコイド作用が原
因とされる 。

要は、Na(ナトリウム)が体内に増えて、K(カリウム)が出ていくことから、血圧が上がって、低カリウム血症が起こりますよということです。

カリウムは、身体のいろんなところで重要なミネラルなので、例えば心臓でカリウムが少なくなれば不整脈を起こすし、筋肉や神経で少なくなれば脱力や痙攣がおきます。

だから、カリウムが欠乏してしまうと全身性の危険な状態になってしまうんですね。

薬とRAA系の関係について

これまでの話を知っていれば、薬の効果や副作用も予想できるようになります。

たとえば、抗アルドステロン薬であるスピロノラクトン(アルダクトンA)は、別名:カリウム保持性利尿薬ともいわれます。

これは、スピロノラクトンはアルドステロンを抑えてしまうわけですから、Naを尿へ、Kを血液側へ増やす(カリウムを体にもどす)イメージです。

そうすると、尿量は増えるし、副作用として高カリウム血症が起こるなということが分かりますよね。

また、ACE阻害薬やARBも同様に考えることができます。

アンジオテンシンⅡは血管平滑筋に存在するAT1(アンジオテンシンⅡ受容体 タイプⅠ)と副腎皮質に存在するAT1に結合することで、血管収縮作用とアルドステロン分泌促進作用を示します。

このことから、結果的にアルドステロンの作用を抑えることにもなり、高カリウム血症という副作用の原因になります。(ただし、これらの薬を服用した際のアルドステロン濃度に関しては諸説あり:参考ワードはアルドステロンエスケープ)

また、RAA系のスタートである「レニン」を抑えてしまうアリスキレン(ラジレス)という薬がありますが、その薬理から予想されるように条件がそろうと危険な副作用を起こすこともあります。

ラジレスの添付文書には改定があって、禁忌が追加されています。

アンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を投与中の糖尿病患者(ただし、アンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与を含む他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。〕

まあ、併用したらそりゃ強くなるよね、ということなんですが、体内の一部のシステムを抑えすぎると怖いトラブルも起こるリスクが高まってくるという例かなと思います。

まとめ

今回は、個人的にすっきりしておきたかったアルドステロンとRAA系、それに関わる薬について記事にしてみました。

まだまだ、やろうと思えばさらに細かく、話が脱線して限りなく広がっていくんですが、それだと誰の参考にもならん代物になるのでやめておきます(涙

読んでくれた方には、少しでも楽しんで理解を深めていただけばよかったなぁ・・・。

何かを知ろうとすれば、それを理解するために他の何かを知りたくなる。

これが、俗にいう(僕が言っているだけですが笑)学びに潜む悪魔のスパイラルっていうやつですね^^;

学生の方は、ぜひこんな学び方を全力でオススメします!めちゃくちゃ時間かかるけど(苦笑)、それだけ実りも多いでっせ~。

学生のうちは勉強することが仕事として許される時期。思いっきり時間使えるのも学生だけなので!

ではでは、今回はこのあたりで失礼します!

最後までお読みいただきありがとうございました^^

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