牛乳アレルギーと乳酸菌製剤(ラックビー、エンテロノンなど)

牛乳アレルギー×乳酸菌製剤

今回は、牛乳アレルギーと注意すべき薬
について簡単にまとめたいと思います。

牛乳アレルギーで特に注意する成分は、
乳タンパク質の「カゼイン」です。
つまり添加物としてカゼインを含む製剤に
注意が必要ということです。

主にタンニン酸アルブミン製剤や乳酸菌製剤
が挙げられます。
また、経腸栄養剤や一部の制酸・緩下剤、
高血圧(狭心症)治療剤にもカゼインが配合されて
いるものがあり投与禁忌となります。

◆乳酸菌製剤◆
乳酸菌自体にアレルゲン性はありません。
では、なぜアレルギーが起こるのかというと、
培養段階に原因があります。

乳酸菌培養段階の培地に脱脂粉乳を
使用するので、そこに含まれるカゼインにより
アレルギーを起こしてしまうのです。

投与禁忌の医薬品は、
・エンテロノン-R散
・エントモール散
・コレポリーR散
・ラックビーR散

一方で乳酸菌製剤でも、
乳酸菌培養時の培地に脱脂粉乳を
使用していない次のものは使用可能です。
・ビオフェルミン(R)散
・ビオスミン配合散
・レニベン(S)散

これらの製剤でも、菌培養の培地成分に
ペプトンなどの牛乳タンパク由来成分を
使用している場合がありますが、ごく微量で、
精製過程でほぼ取り除かれるため問題ありません。

◆タンニン酸アルブミン◆
タンニン酸アルブミンは、タンニン酸と
乳清カゼインから成る化合物です。

止瀉剤(下痢止め)として使用されますが、
この成分を含む医薬品は、
すべての牛乳アレルギー患者に対して投与禁忌です。

◆その他のカゼイン含有医薬品◆
カゼインは薬剤の有効成分ではなく、
医薬品添加物として含有されます。

医療用医薬品では次のものにも
含まれるので注意が必要です。
・ミルマグ錠(制酸剤・緩下剤)
・エマベリンLカプセル(高血圧・狭心症治療剤)
・アミノレバンEN配合散(経腸・経口栄養剤)
・エンシュア(H・リキッド)、ラコール(NF)

一見すると牛乳アレルギーをイメージしにくい
薬剤も、実は添加物がアレルゲンと
なるものもあるので注意が必要ですね。
以上、参考になれば幸いです。

参考:日本薬剤師会雑誌 2013.9

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