【質問回答】アムロジピンを隔日投与にしたらどうなるの?~蓄積率の使い方~

今回は質問への回答です。

薬物動態学を勉強している人も、よかったら実践と思って考えてみくださいね。

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質問内容

アムロジンで不整脈が出現した症例を経験しました。

降圧効果は十分あり出来れば継続内服したいのですが、そこで、半減期の長いアムロジンを隔日内服した場合の薬物動態はどの様に変化するかご教授ください。

併せて連日投与に比べて効能が変化するかについても教えてください。

私の回答

アムロジピンで不整脈、というのはあまり経験したことはないのですが、実際のところどうなんでしょう?

これは、読者の方にもぜひ聞いてみたいところです。

とりあえず、直接的な作用か、間接的な作用かは不明ですが、Ca拮抗薬による「不整脈」というのは報告があります。

それで話は至ってシンプル。

現在の服用方法で副作用がでてしまったので、飲み方を変えたらどうでしょうか?という提案です。

飲み方を変えるときには、大きく分けて2通りがあります。

ひとつは「用量を変える」、もうひとつは「服用間隔を変える」というものです。

どちらを選ぶべきか?という話になると、それぞれの薬の特徴を考えないといけないのですが、とりあえず今回は長くなってしまうので、ここのところはまたの機会にでも。

アムロジピンを隔日に使う

1日おきに服用したみたらどうなるか?

質問をくださった方は、アムロジピンの半減期が長い(約36時間)ということをご存じのようです。

そして、半減期の長い薬と特徴といえば、そう、「定常状態をもつ」のでした。

よかったら、前の記事を参照してください!

半減期と定常状態についての過去記事

もちろん半減期が長い薬であっても、一定期間に繰り返し投与する必要があります。

そうすることで、血中濃度が累積され(このとき代謝スピードも上昇し)、ある一定の濃度で頭打ちになるのでした。

そういう前提のもと、1日1回服用のアムロジピンを2日に1回の服用にした場合どうなるのか?

イメージは前回の記事で参照した下図そのままになります。

s-hikaku

当然ですが、定常状態に達したときの血中濃度は全体的に低くなります。

2日に1回ということは、服用間隔は48時間になります。

一方、アムロジピンは半減期が36時間もあるので、その3倍は108時間になります。

服用間隔:48時間 < 3×半減期:108時間

ですから2日に1回にしても、前回服用した薬は体内に残っており、定常状態には達します。

ちなみに、定常状態に達するまでの時間を考えると、

いずれも:4~5×36=180時間=6~7.5日程度となります。

具体的に血中濃度はどのくらいになるの?

では、計算してみましょう。

定常状態になったときの血中濃度は「蓄積率」という計算式があります。

公式みたいなものですが、自分で導くことができるので薬学生の方々は、自分で1から導いてみてくださいね。

そんなことどうでもいい!という方は、こちらの式です。

蓄積率R=1/ (1-(1/2)^(τ/半減期))

τ:投与間隔

ちゃんとした数式でブログにUPするのが大変なので、自分でノートに転記してみてください!

これで何が分かるかというと、定常状態での最高血中濃度が、単回服用時の血中濃度の何倍になるか?というのが分かります。

自分で実際に計算してみてほしいのですが、

たとえば、投与間隔τ=24時間とするとR=2.70、投与間隔τ=48時間とするとR=1.66となります。

つまり同じ用量で「2日で1回」と「1日で1回」と比較すると、1.66/2.70=0.6倍となります。

これが臨床的にどの程度、降圧効果の変化や副作用の発現頻度に関わるかというのは、残念ながら私には評価できません。

各個体内(同一人物)で考える場合には目安になる考察かと思いますが、薬効の発現には個人差が大きいため個体間同士(他人同士)での比較には使えないと思います。

(ここに、薬物動態学の限界を私はどうしても感じてしまいます。。。)

とにかくですね、回答の結果をまとめると

回答のまとめ

①薬物動態の変化

定常状態に達するまでの時間は、薬物自体の半減期に依存するため、どうらの用法でも約1週間程度と考えればよい。

最高血中濃度は、隔日投与とした場合には40%程度低下すると考えられる。(もちろん代謝能力の個人差は反映される)

②薬効への影響

上記の血中濃度の減少率が、直接的な薬効低下や副作用の発現に反映されるかは各症例によると考えられる。

仮に、低濃度で薬理効果が頭打ちとなっていたり、低用量でも出現する副作用であれば、隔日投与に変更したときの効果はでにくいと推測される。

シンプルに考えれば、隔日に投与すれば血中濃度が低い期間が延びるため、やや平均の降圧効果は落ちるかもしれない。

しかしながら、半減期が36時間とながいアムロジピンであれば、次回服用時でもある程度の薬効は残っていると考えられる。

以上が、私の考察となります。

参考になれば、これ幸いです。

では、また!

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コメント

  1. メエ子 より:

    アムロジピン 不整脈でこちらのページにたどりつきました。私は患者側で、薬の知識がないのですが、このようなわかりやすいページに出会えて嬉しいす。勉強になります。

    私の家族のことなのですが、(75歳男性) 1年前にアムロジピン5mgを1日1回だったものが2回に増量され(計10mg)、その数ヵ月後から今までなかった不整脈が出現しました。素人ながら添付文書に目を通したところ、副作用の影響もなくはないと思い、主治医に相談したところ、長年飲んでた薬で急に副作用がでることはない言われ、減量してもらえませんでした。

    質問お願いいたします。
    ・添付文書には高齢者への投与試験でCmaxが若者と比べ優位に上昇と書かれていますが、血中濃度が高くなり易いということは、副作用が出やすいことを示唆しているのでしょうか?
    ・高齢者は薬の成分が体に残り易いことはありますか?

    通っている医院は院内処方のため、そこの薬剤師さんには相談しづらくどうしたらいいものか・・と悩んでおりました。
    副作用かどうかは一概に言えないかもですが、1日2回処方と、高齢者なのに高容量なのも気になります。この他にミカルディス80mg,ドキサゾシン2mgも飲んでいますので。

    長くなってごめんなさい!
    しゅがあさんのような研究熱心な薬剤師さんに出会いたかったです。ご活躍応援してます。

    • しゅがあ より:

      メエ子 さんへ
      励みにあるコメントをいただきありがとうございます!

      僕よりも勉強されている薬剤師の先生方はたくさんいらっしゃいます。
      もし困った際には、お近くの薬局にいる薬剤師さんもきっと丁寧に教えてくれると思いますので、ぜひ頼ってみてください^^

      質問に関連する記事を書きましたので、ご参考にしていただければと幸いです。
      質問回答

  2. […] ロジピン(半減期36時間)1日1回と2日1回の比較をしているサイトがありました。 http://next-pharmacist.net/archives/5593 こちらのデータを参考にさせていただくと、 アムロジピンの場合、血中濃度 […]

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