「サプリメント」「健康食品」って実際どうなの?

サプリメント×康×薬剤師

サプリメント・健康食品については、多くの日本人が気になっているひとつのトピックだと思います。
市場規模は7000億円程度で、比較でいうとゲーム市場が5000億円程度です。
大きいか小さいかは人によって感じ方は違うかとは思いますが、一定の関心はある分野であることは間違いありません。

実際にどんなものが売れているのかというと、売れ筋ランキングは以下のようになっています。

1位.ホエイプロテイン
2位.コラーゲン
3位.グルコサミン
4位.AHCC(シイタケ関連)
5位.マルチビタミン
6位.酵素
7位.葉酸
8位.体脂肪関連商品
9位.野菜ジュース
10位.アガリクス
11位.コエンザイムQ10(CoQ10)
12位.乳酸菌
13位.アミノ酸
14位.整腸・腹部膨満感関連商品
15位.プラセンタ
16位.ダイエットシェイク
17位.血圧関連商品
18位.イチョウ葉エキス
19位.大豆プロテイン
20位.滋養強壮関連商品

(ケンコーコムより引用・改変)

TVなどでは毎日長時間にわたりCMしているので、かなり売れているんだろうなという気持ちはしていました。
実際に仕事をしていても、患者さんから健康食品についての話をされる機会は少なくありません。

そして、多くの医師や薬剤師は正直なところ苦手な分野でもあります。
なぜなら、勉強する方法が今のところ確立されていないからです。
・いったいどのくらい効果のあるのものなのか?
・本当に副作用はないのか?
・費用対効果は適正なのか?
などの疑問については全国の誰に訊いても確実な答えは得られないでしょう。

特に日本では、サプリメントや健康食品について研究が十分に進んでいるとはいえず、今後も果たしてどの程度検証されるのかは定かではありません。

だからこそ、サプリメント業界や健康食品業界はにぎわっているとも言えます。
誰もはっきりとした実証はできず、消費者側も医薬品に期待するような「確実な効果」ではなく、「ちょっとでも効いたらいいな」くらいの考えで購入します。

では、医療関係者はどう思っているのか?というと、今のところ全力で特定の健康食品などオススメできる医師や薬剤師は少数派だと思います。

「特に否定はしないけど、よく分からないからやめてほしい。」というのが本音かもしれません。
では、消費者は何を信じてサプリメントや健康食品を使っていったらいいのか?
現時点では、最終的な判断は「患者自身」がするしかないと思います。

健康保険の適用できない健康食品などは、「割高」であることが多いのは事実です。
1か月で数千円はザラで、ものによっては数万円以上に及ぶものもあります。

しかし、重篤な疾患や末期がんの患者は藁にもすがる想いで、いろいろな健康食品を試してみたいという気持ちも理解できます。
そういう方に対しては、服用を否定するのではなく少しでも安全に使ってもらえるようにサポートするのが私たちの仕事でもあります。

特に医師や薬剤師が気にしているのは、病院での治療に与える健康食品の影響です。健康食品のなかには、治療薬との飲み合わせが悪いとはっきり分かっているものがあります。

最低限、そういったものに関しては医師や薬剤師などが患者にアドバイスして健康被害を回避しなければなりません。
以下に、代表的なものについてリスト化しておきますので参考にしていただけると幸いです。

セント・ジョーンズ・ワート(西洋オトギリソウ)
薬の代謝酵素を増やしてしまうので、かなり多くの薬の効果を弱めてしまうことが分かっています。病院から薬をもらっている場合は服用を中止したほうが無難でしょう。
ただし、今服用している場合はいきなり止めると薬の効果が強くなって中毒などを起こす危険性があるので、医師と相談したうえで徐々に止めていくことも必要になります。

具体的には。。。
気管支拡張剤、抗てんかん薬、抗凝固剤、強心薬、免疫抑制薬、抗HIV薬、経口避妊薬、抗うつ薬など

イチョウ葉エキス
イチョウ葉エキスには血小板凝集抑制作用があり、併用すると
出血傾向(鼻血、あざなど)が強まります。
■抗凝固剤(血栓防止薬)
・アスピリン(バイアスピリン)
・チクロピジン(パナルジン)
・ワルファリンカリウム(ワーファリン)

ニンニクエキス(アリシン)
■抗凝固剤(血栓防止薬)
・アスピリン(バイアスピリン)
・チクロピジン(パナルジン)
・ワルファリンカリウム(ワーファリン)
大量に摂取すると、出血傾向が強まることがあります。
■抗ウイルス剤
・サキナビル(インビラーゼ)
ニンニク成分により誘導された薬物代謝酵素がサキナビルの
分解を促進し、効果が減弱します。
サキナビル服用時はニンニク成分含有食品を摂取しないよう
指導します。

グアバ葉ポリフェノール(番爽麗茶)
■糖尿病治療薬
・αグルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン)
両者とも糖を分解する酵素の働きを抑える作用をもつため、薬剤の作用が増強されます。
低血糖の恐れもありますので、治療中の方は併用しないよう指導します。
また、未消化の糖質が腸内で発酵し、ガスの発生が多くなるため腹部膨満感が強くなります。

ラクトトリペプチド(アミールS)、かつお節オリゴペプチド、サーデンペプチド
■ACE阻害薬(高血圧治療薬)
同様の効果をもつため、血圧降下作用が増強することがあります。

食物線維成分【ポリデキストロース、サイリウム種皮、難消化性デキストリン、グアーガム分解物(ガラクトマンナン)、小麦ふすま、低分子化アルギン酸ナトリウム】
■強心剤(ジゴキシン)
同時に服用すると、消化管内でジゴキシンを吸着し、吸収を妨げるため、ジゴキシンの吸収が遅れる可能性があります。
■鉄剤
過剰摂取により鉄分の吸収が抑制されます。

青汁、クロレラ
■ワルファリンカリウム(ワーファリン)
ビタミンKを豊富に含むため、ワルファリンの効果を弱めます。
(血栓形成の恐れ)

ビタミンK高産生納豆菌
■ワルファリンカリウム(ワーファリン)
納豆菌にはビタミンKを産出する働きがあり、ワルファリンの
効果を著しく弱めます。(血栓形成の恐れ)

ナットウキナーゼ
(ナチュラルスーパーキナーゼ他)
■ワルファリンカリウム(ワーファリン)
血栓溶解作用をもつため、ワルファリンの治療効果が不安定状
態になる恐れがあります。

最後に「トクホ」について簡単にまとめます。
トクホとは?。。。
特定の保健用途に資することを目的とし、健康の維持増進に役立つまたは適する旨を表示することについて厚生労働省により許可または承認されたものを「特定保健用食品」と呼び、「血糖値が気になる人へ」、「食後の中性脂肪を抑える」などといった健康表示が許可されています。

<おまけ~「特定保健用食品」(トクホ)の効果~>
◎血糖値関係
難消化性デキストリン、小麦アルブミン、
グァバ葉ポリフェノール、L-アラビノースなど

◎血圧関係
ラクトトリペプチド、カゼインドデカペプチド、
杜中葉配合体(ゲニポシド酸)、サーデンペプチドなど
コレステロール関係キトサン、大豆たんぱく質、
低分子化アルギン酸ナトリウム

◎歯関係
パラチノース、マルチトール、エリスリトールなど

◎コレステロール+おなかの調子、中性脂肪+コレステロールなど
低分子化アルギン酸ナトリウム、サイリウム種皮など

◎おなかの調子を整える(便通改善効果など)
各種オリゴ糖、ラクチュロース、ビフィズス菌、
各種乳酸菌、食物繊維(難消化性デキストリン、ポリデキ
ストロース、グアーガム分解物、サイリウム種皮など)

◎骨関係
大豆イソフラボン、MBP(乳塩基性タンパク質)など

◎ミネラルの吸収関係クエン酸リンゴ酸カルシウム、カゼインホスホペプチド、
ヘム鉄、フラクトオリゴ糖など

◎中性脂肪関係
中鎖脂肪酸など

「賢く選ぼう 健康づくりのための食品の表示」 厚生労働省食品安全部新開発食品保健対策室より引用・改変

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コメント

  1. おおはし より:

    お久しぶりです(^^)
    マルチビタミンなどのサプリメントを毎日摂取するってどうなんですか?

    一日の摂取量に対して100%って書いてあっても、吸収率って低そうな気が…。
    ビタミンなど過剰な摂取だと代謝で肝臓などに余計な負担が掛かりそうな気もします。
    あと、薬物耐性のように効果が薄くなるってことありますか?

    • しゅがあ より:

      おひさしぶりです^^

      >一日の摂取量に対して100%って書いてあっても、吸収率って低そう
      基準値は吸収率も考慮して設定はされていると思いますが、個人差が大きいと思います。
      あと食後にとるか食前にとるかでも吸収率は違ってきますね。

      >ビタミンなど過剰な摂取だと代謝で肝臓などに余計な負担が掛かりそう
      食品から普通に摂取する分であれば過剰摂取は起こらないと思います。
      ただ、サプリとか抽出・濃縮されたものを過量にとった場合、特に脂溶性ビタミン(D ・A・K・Eなど)は蓄積性が問題になったりしますね。
      そうなると肝臓に限らず悪影響が目立ってきます。

      >薬物耐性のように効果が薄くなる
      ビタミン耐性という話は聞いたことないです(笑。そもそもビタミン類(他の栄養素もそうですが)は、必要量を摂取するというのが最も好ましいのであって、「過不足」は害だと思ってもらって間違いないです。

      ちなみに医療用のVCとかVB12とかは水溶性なので一応蓄積性がないっていうことで、治療に使うときにはかなり多めで処方されています。

      • おおはし より:

        お返事ありがとうございます!

        なるほど、とてもお勉強になりました!
        そこまで負担は無いんですねー。

        過不足も中々計算難しそうです。
        成人1日1錠って書いてあっても、体重や身長からしたら1.5〜2倍位飲んでも大丈夫なのかな、と思ったり。

        一人暮らしで食事がバランス良くないので、気休めでもマルチビタミン、マルチミネラル+カルシウム、DHA/EPAを毎日飲んでみたりしてます。笑

        ちなみに、サプリメント飲む時間と食前食後というのは、一日で一番いつが良いですか?(^^)
        度々すみません。よろしくです!

        • しゅがあ より:

          いや、いつも手の込んだお食事してるから、一般の人に比べると栄養はバッチリだと思うよ(笑

          でもなかなか推奨量の栄養素をコンスタントに摂るのって難しいから、必要なのはサプリで補うというのはいいかもね^^

          飲むタイミングは、正直なところ薬やサプリによるんだよね。

          油っぽいもの(脂溶性)のものであれば、胆汁が分泌されている食後のほうが吸収がいいね。
          薬の速効性を期待するなら食前がいいっていわれてるよ!

          ただ栄養素の場合には、消化管をゆっくり通過したほうが吸収率がいいといわれているから、食後がしっかりと吸収されるという話です^^

          • おおはし より:

            細かく教えてくれてありがとうございます!

            脂溶性と水溶性で違うとは…。参考になります。
            最近興味があるのでサイト読んで色々と勉強してみます(^^)!

            免疫学わかりやすくて面白かったです〜

            • しゅがあ より:

              サンキューです^^

              脂溶性と水溶性って、実はかなり大切なんだよ~。
              薬のデザインするときも、それがカギになるからね。

              一般人であれ読む人なかなかいないですよ笑
              でも、免疫って結構おもしろいよねー^^

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