薬剤師が迷走している本当のワケ〜医薬分業とは何だったのか?〜

こんにちは。

ひさしぶりの更新ですね〜。

更新はひさしぶりですが、記事は書いていました。アップしていないだけで笑

過激になりすぎたのでお蔵入りになっています^^

30年度の改定も終わり、個人的に結局なんも変わんねーな〜って残念に思っていますが、さてみなさんはどうでしょう?

相変わらず、薬剤師(薬局)業界は混沌としております。

目次

そろそろはっきりさせない?

日経DIの記事にもありましたが、医薬分業は「瀬戸際」にきている、らしいです(笑

いやいや、遅くない?

だましだまし、本質を捉えない調剤報酬改定ばかり重ねてきた結果、今の状況があるのでは?

まず、「医薬分業」の大義名分はなんだったでしょうか?

(これは大義名分であって、本質は「裏」にあるお金がらみだと思いますが、それは置いておいて)

医薬分業にすると、

世界がどうよくなるんでしたっけ?

それに対する薬剤師会の答弁は、

「分業の一番のメリットは、複数の診療科や医療機関で処方された薬も、かかりつけ薬剤師を中心に重複や相互作用などがないか、一元的・継続的に把握できる点。患者には安心して薬物療法を受けていただけるということで、非常に大きなメリットだ」

これって要は

「相互作用・重複回避」

のことです。

これが、一番のメリットって言っているわけですよね。

でも、それって院内でできないですか?

薬局を病院の前に立てて、また別の調剤報酬なるものを与える価値ってあるのでしょうか?

はっきり言って、ナイと思います。

まあ、IT技術のなかったひと昔前なら、人(薬剤師)でないとできないってのはあったかもしれませんが、今なら重複や相互作用なんて自動的に表示できます。

つまり、この薬剤師会の方の言っているメリットに関しては、

一般の方、医療関係の方、誰も納得させることはできないと思います。

って、なったときに薬剤師って結局何する職なんでしょう?

本当の意味の医薬分業とは

医薬分業とは名ばかり。

実質、薬剤師には「拒否権」がありません。

実質というのは「ほとんどの割合を占める空気を読んでしまう薬剤師」と「無関心な薬剤師」を指しています。

ですが、法律的には薬剤師には「みせかけの権利」が与えられています。

しかし、実際にはこの権利は行使できないのです。

言葉を平たくいえば「医者のいいなり」になるしかない、ということです。

個別指導を経験した薬剤師なら、こんなことを疑問に思ったことはないでしょうか?

「これは医師に疑義照会したでしょうか?」

「はい、こちらは先生に確認済です。」

このくだりです。

私はこのくだりがすごく疑問に感じます。

「医師に確認しりゃあ、なんでもいいのか?」

保険的に疑問のある処方であっても、

また、治療的に疑問のある処方であっても、

医師に確認してさえいれば、お咎めがない。

スルーされるこの現実。

私は、この構造が大っ嫌いです。

カナダでは、患者が処方箋に書いてある薬のなかで「希望する薬のみ」を受け取ることができるそうです。

そういう制度であれば、

医師・薬剤師の話を並列に参考にしたうえで、自ら納得して治療ができるということです。

医師・薬剤師、それぞれの立場・角度からリーズナブルな説明をして、本人が受ける治療を選べる権利とも言えるわけです。

そこまで極端にならなくても、

少なくとも、薬剤師という専門職が「薬物治療」にもっとダイレクトに関われるようになってほしいと思っています。

確かに、つきつめていくと線引きは難しいと思います。

最終的には、医学的な見立てというのが絶対に入ってきますから。

せめて、用法くらいは薬剤師と患者とのやりとりで、その人の生活にマッチしたようにデザインできるとか、一包化や剤型についても薬剤師に任せるとか。

そのくらいのこと、やらせてもいいのではないか、と思うんですよね。

てか、そのくらいのこと、薬剤師の判断と責任でできないんだったら、もはや何ができるの?と思います。

でも、ですよ。

「医薬分業」って言葉を考えると、このくらいじゃ足りないですよね。

医師は診断して、薬剤師がその診断をもとに薬を選びそこに責任をもつ。

これが本来の医薬分業じゃ、ないんですか?

もしくは、譲歩して、

医師が

「この薬がいいと思っているけどどうかな?量はこのくらいがいいのでは?」

・・・

薬剤師が、

「それでOK」

「いや、こっちの方がいいと思うから、こっちを出しておくね。」

このくらいのスタンスを目指すべきでは、と思うわけです。

これ冗談じゃなく、本気です。

てか、こうならないと、薬剤師ってほんといらなくね?って思うんですよ。

そうなると、今の教育じゃ全っ然お話にならんよ!!っていう話にもなる。

しかし、いまの方向性じゃ、100年経とうが、絶対こんなふうにならないって思っています。

もっと患者さんとお話して、コミュニケーションをしましょうね〜、とか生易しいことをいっとるわけです。

本質はそこじゃないだろうと。

自分の責務と指名を果たすために「必要なことを訊く」わけですよ。

薬剤師の責務とは?

求められることはなんだったか?

最適の薬を選択し、薬学的な知識をもとに服薬法をデザインすることではないのですか?

つまらない小手先の改定だけ続ける?それとも・・・

そうとうな痛みと覚悟が必要ですが、

本当に意味での医薬分業を目指すなら、こういうことだと思うんです。

名前だけつくって「かかりつけ薬剤師」とか小手先言っている場合じゃない。

でも、こんな感じの医療になったら、薬剤師も絶対にやりがいのある仕事になるし、薬剤師の専門性というのも、絶対に患者さんの利益になると信じていますので。

まあ、夢物語かもしれませんが、本気で思っていることなので、語ってしまいました。

お読みいただきありがとうございました〜^^

P.S.

今年中には以前に紹介したブロックチェーン技術を使った、メディカルチェーンが日本にも入ってくる可能性があるとのことで楽しみにしています!

そうなれば、お薬手帳とかもいらなくなるし、薬局による重複回避という機能もいらなくなるので、ますます淘汰されていくかと。

このままの路線をたどると、最終的には薬局業界はサービス業の色が進んでいくのではと思っています。

は〜、どこかで方向性変わってほしいなぁ。

今、薬学部目指す人ってどういう情報をもとに、将来を考えているのだろう?

現場にいるけど、いい方向に向かっているとは到底思えないんだけど・・・(笑

スパイスの効いた進路相談などをご希望の場合には、コメントいだければ回答します(笑↓

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コメント

  1. 匿名 より:

    薬剤師2年目です。実際の業務にかかわらず「空気を読んでしまう薬剤師」と「無関心な薬剤師」以外にはとても厳しく生きにくい世界だと感じますがいかがでしょう?

    • しゅがあ より:

      私は1年目で、医療そのものに対する違和感と現在の薬剤師に与えられている権限のなさに絶望しました^^;

      空気を読んでしまう薬剤師は「それなりに」生きていくことはできるでしょう。
      無関心な薬剤師はただ「面倒な」仕事をやっていくことになるでしょう。
      それ以外の薬剤師は、各々の使命感をもって「耐えていく」しかないでしょう。

      とりあえずこの流れは当分変わることはない、と私は考えているので、他の道も視野にいれつつ生きていこうと思っています。

      薬剤師の職域というものが、本職である部分を色々な力で誤魔化され、歪まされて、どんどん曖昧に広げられているような気がします。