【エボラ出血熱】リアル・バイオハザードを考える。

エボラ出血熱

死者が1000人を超えました。

「エボラ出血熱」
大学で習った疾患の中で
最もインパクトがあった感染症です。

wikiより
潜伏期間は通常7日程度(最短2日、最長3週間)。WHOおよびCDCの発表によると、潜伏期間中は感染力はなく発病後に感染力が発現する。発病は突発的で、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、食欲不振などから、嘔吐、下痢、腹痛などを呈する。進行すると口腔、歯肉、結膜、鼻腔、皮膚、消化管など全身に出血、吐血、下血がみられ、死亡する。致死率は50 – 90%と非常に高く、治癒しても失明・失聴・脳障害などの重篤な後遺症を残すことが殆どである。

とまあ、簡単にいうと
全身のあらゆる場所から
出血して、ほぼ死に至るいう病気です。

しかも、治療薬がない。
目や鼻、口から大量に出血し、
苦しむ姿を見て立ち尽くすしかない、
という感染症です。

一類感染症というカテゴリに
分類され、感染すると、強制隔離
入出国規制などがあったと思います。

というか、身近に
エボラ出血熱を感じるときが
くるなんて思ってもみなかったです。

最近は
新しい抗生剤が次々に開発されています。

僕らの感染症に対する怖れは
少しずつ弱くなっているように感じます。

一昔前であれば、
「結核」は不治の病でした。

「風立ちぬ」という映画でも
ヒロインの菜穂子が結核に
侵され、その経過が表現されていましたね。

治療薬がないため、
山中の別荘で寝袋に包まり、
「サナトリウム」という治療を
受けていたのが印象的でした。

過去にも
ペスト、コレラ、天然痘、
チフス、スペイン風邪、
最近ではSARSなど
人類はたびたび感染症と戦ってきました。

そして、
今回はエボラ出血熱です。

本来、ウイルスにとって
宿主を殺してしまうというのは
不都合な事態です。

人を活かしつつ共存できれば
ウイルスは次々と感染を広げる
ことができるからです。

ヘルペスウイルスなんかが
そういった成功例の代表かも
しれません。

しかし、ウイルスと宿主
との、ある種の相性が悪いと
激烈な症状がでてしまうんですね。

ちょっと哲学的な話ですが、
ウイルスと人の違いって
ほとんどないんですよ。

どちらもタンパク質、脂質、水で
遺伝情報を包んでいるだけです。
人間のほうがちょっぴり複雑なだけです。

どっちもDNA(RNA)
の情報を次の世代に
つないでいるだけなんです。

どっちが尊いとか偉いとか
そんなの人間が決めている
だけです。

ウイルスからすれば、
ただ人に感染して
増えようとしているだけなんです。

そして、人間は
その単純なウイルスに対して
為す術がないのです。

人間は賢い生き物で
なんでもできると思ったら大間違い。
自然に活かされているということを実感します。

震災にしても
感染症にしても、
こういう状況で気づくことも多いと思います。

もちろん有効な治療が
確立され、感染拡大が抑えられる
ことを祈っています。

逆に、これまでも
厳しい状況から新たな発見や
治療法が生まれてきたのもまた事実です。

実は、エボラについても
研究はされてきていて、
薬の候補はあるようなのです。
ニュースでは、
未承認薬が例外的に許可された
という報道されていました。

未承認薬といっても
サルにちょっと使って試験しただけ
っていう代物らしいです。

本当に切羽詰っている
状況なんだということが
分かりますよね。

もうそれぐらい
対策がないのです。

こういう事態になると
特定の業界を批判する人が必ずいます。
今回は、製薬会社が標的でした。

アフリカの感染症を無視してきた
「製薬会社」の怠慢の結果だ、
と報道されていました。

うーん、
何と浅い考えだろうと。

怠慢もなにも、
製薬会社でエボラ出血熱の治療薬
を開発するのが、どのくらい大変なことか。

もちろん研究し、
治療薬を開発したい人は
世界中にたくさんいることでしょう。

しかし、製薬会社は
ボランティアや慈善団体
でもなんでもないんです。

利益を追求する
一企業なんですから。

別にいいとか悪いとか
いう問題ではありません。
そういう性質をもったものだということです。

年間何十人、百人しか
罹患しない疾患の治療薬
なんて進んで開発できるわけないでしょう。

そんなの少し考えれば分かるはずです。
世界中に何億人も患者がいる
高血圧や糖尿病の治療薬を開発するはずです。

現に、新しく発売される薬は
生活習慣病の治療薬がほとんどです。

そのほうが圧倒的に
儲かるからです。

もし、その対策を必要とするなら、
相応の研究補助が必要なのです。
数千億規模の、です。

その費用が
はたしてどこからでるのか・・・?

そのために、
消費税を5%上げますって言われたら
YESという人がどれほどいるのか?

それがひとつの答え、
ではないでしょうか?

P.S.
記事を書いていて
ふと、思ったんですが。

ウイルスを退治するという
治療戦略から発想を逆転させ、
ウイルスと共存する治療薬はどうだろう。

こういうアプローチで治療薬
を開発すると全く新しい発想が
生まれるかもしれませんね。

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