「なぜ糖質は太るのか?」~親に教えて感心された話~

糖質

こんにちは。
今回はちょっとだけ「糖質」
についてお話したいと思います。

テレビでも健康に関する
番組が日に日に増えてきており、
一般の方の意識も高まってきています。

今回の話は、
糖尿病、肥満に悩んでいる方、
ダイエット成功させたい!という方におすすめです!

できるだけ分かりやすく
説明していきたいと思いますので、
さらっと読んでみてください。

では、まず。
「甘いものは太るよ!」
って言われた経験はありますか?

おそらく誰でも
一度は言われたことあると思います。

じゃあ、なぜですか?
という質問に対しては
答えられるでしょうか。

ただ、何となくイメージで!
という場合が多くありませんか?

その答えについても
読み進めてもらうと
少しずつ分かってくるはずです。

では、早速ですが
具体的な話に
入っていきたいと思います。

まず、結論からいうと、
本来、食事から糖質を摂取する
必要はありません!

えっ!?
だって脳は糖がないと
働かないんじゃなかったんだっけ??

確かに、
脳の主なエネルギー源として
ブドウ糖を使われているのは事実、です。

そして、急激な低血糖状態が
致命的な昏睡を招くことからも
糖が必要であることは明白です。

だからこそ!
糖質は食べなくてもいいのです。

はっ?意味分からない!
って思った人は、このまま読み進めてください(笑

なぜ、
糖質を食べなくても生きていけるのか?
必要だから、食べなくていいのです。

そのことは、
人類の歴史と身体のしくみを
少しだけ考えれば分かります。

現代の日本のように、
糖質を安定的かつ大量に
摂取できるようになったのは、
実は、ほんの最近のことです。

今の食品に使われているのは、
精製された糖であり、このような
”きれいな糖”というのは、本来、自然界には存在しませんでした。

では、いつごろから、
人は”精製糖”を摂取するように
なったのでしょうか?

決定的な時期としては、
”米”を大量に生産できるように
なった頃、つまり、農耕が始まった頃からです。

もしかすると、
糖質と聞いて真っ先に
想像するのは「甘いもの」かもしれません。

しかし、私たちが口にする
糖質(炭水化物)の主な摂取源は、
白米・パン・麺などの主食です。

ですから、主食として
これらの食材を摂取する
ようになったことで、
食生活が大きく変化したのです。

それ以前はどうだったか?
ほぼ肉や魚で、あとは森で得られる
少量の植物が主な食事でした。

その食生活を続けて、
何十万年もの間、人類は
進化してきたのです。

その過程で、
人の身体はいったい
どのように進化してきたのでしょうか?

端的にいうと、
たんぱく質や脂質といった
栄養素から
糖質をつくれるように
進化したのです。

いわゆる、これは
「糖新生(とうしんせい)」
と呼ばれる機能です。

糖質が足りなくなったら
他の栄養素から糖質をつくれる
ように、ちゃんと進化してきたんですね。

これが、最初にお伝えした
糖をあえて口にする必要がない、
ということの直接的な理由です。

また、昔は日常生活で
糖質はすごく貴重なものだったはずです。

森で甘い木の実やはちみつを
見つけるなんて、超ラッキーだったはずです。
それは、確実に食べておきたいはずです。

そのために、
糖を食べると気持ちよくなる
プログラムが私たちに組み込まれています。

糖質(甘いもの)を摂ると
脳内麻薬といって、幸福感を
感じさせる物質がばっ~と脳内に広がります。

甘いものを食べると
一時的に幸せな気持ちになる
のはこのためなんですね。

さらに、
身体には低血糖にならない
ためのシステムを何種類も備えています。

一方で、
高血糖に対する防衛策は
「インスリン」たった一つです。

そして、インスリンは
ダイエットしたい人にとって、
かなりのクセモノなのです。

インスリンは別名、
”肥満ホルモン”とも呼ばれます。
太りやすい体質にするホルモンです。

なぜなら、インスリンは
糖質などの栄養を体内に
溜め込む作用があるからです。

本来は、体内で糖質を利用
するために必須のホルモン
ですが、”ある場合”では悪者に変身します。

ある場合というのが、
現代における糖質を大量に
摂取している場合です。

インスリンは血糖値を下げる
効果があるのは知っているかもしれません。
(だから糖尿病治療でも使われる)

つまり・・・

糖質をたくさん摂る
↓↓↓
血糖値を下げるためインスリンが分泌される
↓↓↓
糖などの栄養が脂肪として体内に溜められる
↓↓↓
太るとインスリンの効果が落ちる
↓↓↓
それでも糖を摂り続ける
↓↓↓
血糖値が上がる
↓↓↓
さらに多くのインスリンが分泌される
↓↓↓
さらに脂肪を溜めていく

といった悪循環に
陥ってしまうのです。

これが、
「なぜ糖質は太るのか?」
に対する答えです。

この悪循環を止めるには
どうすればよいでしょうか?

「糖質を減らす」
しか方法はないはずです。

糖尿病においても、
悪くなっていく仕組みは同じです。

そもそも
糖質を摂りすぎるなんて、
人の身体は想定していないのです。

現代の食生活は、
人の体にとっては、
まさに想定外の事態なのです。

だから、
太ってしまったり、
糖尿病になってしまうのです。

生体というのは、
何百年、何千年とかで
そう変わるものではありません。

つまり、僕たち現代人も
からだの構造は根本的には
昔となんら変わっていないのです。

体が変わっていないのに、
食生活だけが、糖質だらけに
変わってしまったのです。

なんとなくでも
分かっていただけたでしょうか?

そもそもなぜ
こんな話をしてきたのか
というと、今の治療法に疑問があるから、です。

私は普段薬を扱っていて
感じるのは、原理を分からないと
本質から外れた治療をしてしまうということです。

これまで説明したように、
例えば、糖尿病であれば、
まず糖質を抑えることが最重要
ということが明白なわけです。

であるにもかかわらず、
なぜかインスリンを大量に注射したり、
インスリン分泌を増やす薬を出したりする。

糖の量を減らせばよいのに、
大量の糖を摂りながら、
無理やり糖の吸収を抑える薬を飲む。
(この矛盾に気づくでしょうか?)

薬を使う前に、多くの人に
こういった原理や仕組みを知ってもらえば、
確実に薬は減るはずです。

そして、
本物の健康が手に入ります。

そのとき、私たち医療人の
仕事は一時的には減るかもしれない。

薬が使われなくなれば、
製薬会社や薬局は困ります。
でも、それが目指すべき未来では、と思うのです。

そして、はじめて
本当に必要な人のため、
必要な時に、仕事ができるようになるかもしれません。

と、毎度のごとく、
ちょっと話がそれてしまいましたが、
伝えたいことは、書けたかなと思います。

ダイエットをしたい方、
糖尿病で悩んでいる方など、
少しでも参考になったら幸いです。
ではまた!

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コメント

  1. ペス より:

    糖質を減らせばいいですが、簡単ではないでしょう?アルコールやめてください、タバコやめてください。と言って簡単に出来ないと言ってますよね?アルコールとアセトアミノフェンの所で。
    ましてや脳内麻薬で幸福感を得られると。なら、タバコと同じような気がします。簡単にやめられないから薬が必要なんではないですか?

  2. しゅがあ より:

    ペスさんへ
    はじめまして、コメントをいただきありがとうございます。
    ベスさんのおっしゃることは全くその通りだと思います。

    人は、頭で理解していることと実際の行動が結びつかないことというのは多々あります。タバコやアルコール然り、糖質も然りだと思います。将来の有益さよりも、現在の快楽を優先するという傾向も強いです。

    また、現実的な話をすれば、まったく同じものを食べていても太る人もいれば、痩せている人もいます。病気になる人もいます。

    そういった状況のなかで、私自身の考えとしては「簡単に人の行動は変えることはできない」というのが一つの結論です。

    変えられるとすれば、その人自身が必要性を理解し、自分の人生にとって大切なことだと理解することができた瞬間からであると思っています。

    今回取り上げた「糖質」に関しては、私が考察して非常に有用な知識だと思い、読者のお役に立てばという想いでご紹介させていただきました。

    理論上、食事中に含まれる糖質をカットすれば食後高血糖は起こらず、糖尿病は完治します。しかしながら、私自身実践してみて、糖質制限というのは個人的、社会的な側面からも難しいところがあります。

    日本人である以上、白米を食べられないというのはQOLを低下させる要因になりますし、「人生の楽しみ」が減ってしまうという人も少なくないでしょう。

    一方で、進行した糖尿病に苦しむ患者、なかなか痩せられなかった方が糖質制限を実践して、顕著な効果を上げられている方々もいらっしゃいます。

    このあたりは、ある種の相性というものが存在しているのだと思います。

    ご指摘にあった「主張が矛盾しているのでは?」ということに関してですが、現実がそうであるから、というほかありません。

    暴飲暴食している方に対して、公共の保険という制度をつかって生活習慣病の薬を飲ませる、というのはいかがなものでしょうか?僕はこのことに関してすごく違和感を感じているのです。

    「まずは、しっかりとした生活習慣に修正する」ということが、保険治療を受ける人の義務でもあるのではないか?と思うのです。
    その上で、治らない人に関しては国民が皆で助けあいフォローしていくというのが筋だと思うのです。

    そういった努力をひとつもせず、また薬もしっかりと飲まず、といった方々をなぜ保険で治療する必要があるのでしょうか。このあたりは倫理的な面を含むので、シビアなところになるかと思います。

    以上、ひじょ~に長くなりましたがお返事させていただきました。
    一つの意見として、見ていただけると幸いです。

  3. ペス より:

    薬剤師さんの仕事は詳しくないので的外れでしたらスミマセン。

    生活習慣を変えるのは大変なことと感じます。年をとると、今までと同じように生活しても血圧が上がったり、血糖、コレステロール。。。と気にする部分が多くなります。なぜクスリを飲むのか。これらは心臓病だったり脳梗塞だったりを予防するためです。クスリを飲んでる人は微力ながら努力をしているんです。中々結果に結び付かない。若い方は少しの努力で成果がでるのでしょうが。
    努力をひとつもしない方、クスリを処方されても飲まない方。そういう人が薬局に来たら。あなたはなんて指導しているのでしょうか?努力が足りないと言うのですか?クスリ飲んでるから大丈夫。と勘違いしている人は保険を使うなと聞こえます。仮にそういう人がいるのなら薬剤師さんが必要性を訴えるべきではないでしょうか。
    ぜひ患者さんの立場になって考えて頂きたいと思います。

  4. しゅがあ より:

    ペスさんへ
    また貴重なコメントをいただきありがとうございます。
    あくまで僕の視点からみた現状を考えた場合での話ですので、すごく偏りがあるということを念頭にみていただけると幸いです。

    僕が言うことは、すごく厳しいことなのかもしれません。
    「努力」というものの指標が人それぞれによって違うため、一概に「この人は頑張り屋さん、あの人はサボっている」というように言うことはできません。
    1日10分走っても頑張っているという人もいれば、2時間運動して頑張っているという人もいます。

    ただ生活習慣病やその他の病気を”治す”というのは、多大な努力と意識の改善が必要になることは間違いないのです。
    1日や2日頑張りました!で改善するものではありません。生活習慣病という名前がつくように、それは何十年といった習慣の積み重ねなのです。

    そして、その習慣を変えるというのは繰り返しになりますが、(健康の分野だけでありませんが、)「他人」に言われてすぐに取り組めるものではないと思います。それは医師、薬剤師しかりです。
    あくまで、「本人」が自ら危機意識をもち本気になって学ぶ姿勢・取り組む姿勢があってのことだと思います。

    もう一つの問題点。それは、「ある時から薬を勝手に飲まされる」、という現状です。これは患者さんをお話すると分かるのですが、多くの人が「何か数値が高いから薬を開始することになった」といわれます。

    これはつまり、自分がなぜ薬を飲むのか分かっていない、ということでもあります。これは医療側にも問題があって、医療=クスリという構図になってきているのです。

    本来は、薬を開始する前に十分な指導のもと「生活改善」があるべきなのです。その段階が日本ではすごく弱いなというように感じるのです。

    患者さん側もなぜか「薬は安心」という先入観をもっていますが、すべての薬には、副作用が必ずあります(無自覚なものも含む)。そして、医師はこの感覚は薄い傾向にあります。逆に薬剤師は、副作用に視点を向ける傾向にあります。

    ゴールをどこに設定しているか、というのも大切な問題かもしれません。「薬をやめられるようにする」のか「薬でコントロールできればよい」のか。疾患にもよりますが、僕は前者の道を模索したいなと個人的には思っています。

    それは、つまり「薬以外」の広い視野から物事をみていかなくては絶対に達成できないことであり、今回の記事もその一環として取り上げました。

    と、話がいつも通り脱線していきますが(笑、こういった現状がありながら、皆さんはどう思っているか知りたいなという思いもあります。
    もちろん薬剤師は皆、安全に、そして最大限の効果を出してあげたいとは思っているんです。

    そして、ペスさんが「薬剤師さんの仕事は詳しくないので」とおっしゃるように、薬剤師は認知されていない=何もできていないというのが現状なんですね。

    そういった現状を変えたくて、サイトを始めた部分もあります。おかげさまでこのように一般の方々と深くお話する機会もいただいています。
    ペスさんのご意見も参考にさせていただき、今後も取り組んでいきたいと思います!

  5. さいまるていにあす より:

    記事読みました。
    しかし現実問題として、若い頃から健康に気を使って低糖質な生活を続けている壮年もいます。
    タバコも吸わないし、運動もします。
    それと、なにもしないで糖質まみれ煙草まみれの人が同じ健康保険料というのは納得できないものが有りますね。
    糖質も煙草も要は依存症でまあいいかの弱い意志の賜ですから、いわば未必の故意の病です。
    生活習慣を変えない者は、保険料か保険制度に跳ね返してほしいものです。

  6. しゅがあ より:

    さいまるていにあす さんへ

    コメントをいただきありがとうございます。

    全くおっしゃる通りだと思います。現状、保険制度は破綻している状況ですので、「患者負担」は今後、間違いなく変わっていくと思います。

    もちろん生活習慣だけで解決できない疾病もあります。ただ健康を意識して日々生活している人と、好きなだけタバコやお酒に溺れている人が同じ負担である、というのは一般的な感覚からずれていますよね。

    その医学的な判断はある程度がつくと思うのですが、あとは日本の医療の考え方が変わっていくほかないと思います。

    しかし、いずれにしても「健康を維持して医療のお世話にならないこと」が、個人として最も経済的なことには変わりないですよね。

    1人1人が自分の健康に責任をもって生活していけば、今の優しい医療制度は今後も維持できるかもしれませんね。