掌蹠膿疱症とは!?

「しょうせきのうほうしょう」
なかなか覚えにくい名前のこの疾患。
症状の程度は様々ですが、実際に働いているとそんなに珍しいなという印象はありません。
正直なところ、あまりはっきりと理解しているわけではなかったので、少しだけ調べてみました^^

目次

この疾患の概要は。。。

『手の平(手掌〈しゅしょう〉)、足の裏(足蹠〈そくせき〉)に小さな膿(膿疱〈のうほう〉)が多発する病気で、局所に菌がついて化膿したのではなく、一種のアレルギーの反応によって局所に白血球が集まったと考えられている。その反応を起こす誘因は不明なことも多いが、扁桃(へんとう)腺に慢性的に巣食う菌に対しての反応や、歯の治療として用いられている歯科金属に対する反応として生じることもあるとされている。』
(家庭の医学より)

これを「病巣感染」と呼ぶ場合もあるようです。
どういうものかというと、
扁桃腺や口腔などに感染があるけど、その場所には特に炎症などひどい症状は起きていない。でも、なぜか、遠隔臓器(そことは離れた臓器)に炎症や痛みなどの症状が生じるっていうものらしいです。
つまり、症状の原因になっているのは、細菌や病原体そのものではなく、自己免疫によるものなのでしょうか?その辺の明確な証明はされていないようです(><

今回は、遠隔臓器の手のひらや足の裏に水泡や炎症が生じているわけです。
そして、白癬(水虫)などとの鑑別としては、その水泡や炎症部は「無菌性」であることが指標になります。

なので、理論的には人にはうつらない病気なんですね。
ただ、症状がすすむと一般的にはかなり印象はよくないでしょうから、患者さんはなんとしても早く治したいと感じるはずです。

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どういう治療するの!?

では、どういう治療をするのでしょうか?
まずは手や足の炎症を抑えるためにステロイドの外用剤を塗布します。
それに加えビタミンD3外用剤(オキサロール軟膏など)で表皮の角化細胞の増殖、角化、免疫異常を改善してあげます。
この2つの軟膏を混合して使用することもありますね^^

そして、細菌感染が原因になっている場合にはミノサイクリンやマクロライド系抗生物質の内服を行い扁桃腺からの病巣感染を抑えます。

特徴的なビオチン療法

掌蹠膿疱症の原因として、ビタミンの一種であるビオチンが不足していることがあげられます。血中ビオチン値の上昇を目的として行う治療法です。

掌蹠膿疱症の患者さんでは関節炎なども併発している場合も多いのですが、このような患者さんに対して効果が高いするという報告があります。

ちなみに、
ビオチンは通常量より多い多量の1日9mg~12mgで投与されるケースが多く、シナール(アスコルビン酸+パントテン酸)と、ミヤBM細粒( 酪酸菌製剤 )も同時服用することもあります。
掌蹠膿疱症では、腸内細菌叢のバランスが崩れており、
それがビオチン量に変化しているという説明もあるので、腸内環境も整える必要があるのですね。

病巣をとってしまう治療も

最初に説明したように、原因として病巣感染が疑われるため、扁桃腺を検査した上で切除してしまうといった治療もあります。この治療で劇的に症状が改善した例もあるようです。

この疾患は専門医が非常に少なく、確定診断や適切な治療が難しい場合もあるかと思います。こういった様々な可能性や選択肢を知っておくことで、よりよりチョイスを患者さんに与えられるといいですね!

では!

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