抗血栓薬と抗凝固薬の使い分け〜赤色血栓と白色血栓〜

今回はネクファマメンバーの桂馬さんに、抗血栓薬と抗凝固薬の違いについて基本的なところを解説してもらいました。

まずは大まかなイメージをつかむ→それぞれの薬効の違いや半減期、持続時間、代謝経路による使い分けなどをみていくといいと思います。

また、記事にもある併用薬に確認は、非常に重要な視点になりますね。

いきなり血栓ができる、というよりも何らかの基礎疾患があって血栓形成が促進されるケースが多いですよね。

どの薬剤からのアプローチでもかまいませんが、患者背景を知るきっかけになりますから、ぜひそのあたりも確認してもらえるといいと思います。

では、記事をご覧ください。

〜ここから投稿記事〜

薬学生の桂馬です。

前回の記事は国家試験に特化したものでしたが、今回は国試から定期試験、さらには実習でも役に立つ記事にしようと思います。

テーマは学生レベルでの赤色血栓と白色血栓です。

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1.血液の固まり方には”2種類”ある

血栓は血液が固まることによってできますが、固まり方は大きく2種類に分かれます。

1つ目は、血液の流れがゆるやかなところで起こるものです。

代表例はエコノミークラス症候群で、長時間体を動かさなかったために血液の流れが淀み、血栓ができてしまいます。このタイプの血栓はフィブリン中に赤血球を巻き込むため、赤く見え、赤色血栓と呼ばれます。

もう1つは、血液の流れが速いところで起こるものです。

なんらかの理由で血管が傷つくと、修復しようと血小板が集まってきて固まります。
それだけなら問題ないのですが、血小板の固まりが剥がれ、どこかに詰まってしまうと梗塞となります。

このタイプの血栓は、血小板が多く含まれているので、白く見え、白色血栓と呼ばれます。ものすごく乱暴に言ってしまうと、

・コップに血液を入れておくと固まる→赤色血栓

・怪我をしたときのかさぶた→白色血栓

と、イメージすると分かりやすいです。

このように、血液の固まり方には2種類あります。
時と場合によっては、血液が固まることを防がなくてはなりませんが、このときも固まり方に応じて薬剤を使い分けなくてはなりません。

それが、抗凝固薬(ワルファリン)と、抗血小板薬(アスピリン)です。

2.ワルファリンは「赤色血栓」を防ぐ

まずは抗凝固薬です。
一番の代表はワルファリン。
それにエトキサバンやダビガドランのようなNOACが加わります。

これらの薬が処方されていたら、赤色血栓、すなわち血液の流れがゆるやかなところでできる血栓を防ごうとしていると考えます。

一番最初に疑うのは心房細動です。次に慢性的な心不全も考えられます。
どちらも、心臓がうまく血液を送り出せず、血液が淀みやすいからです。もちろん、併発している場合も考えられます。

弁置換術を行う、ペースメーカーを埋め込むなどをしている場合もあるので、このあたりは、服薬指導の際に確認しておきたいところです。

3.アスピリンは白色血栓を防ぐ

次に抗血小板薬です。
代表は低用量アスピリン。他にはクロピドグレルもあります。

こちらのタイプは白色血栓、血流の早いところでできる血栓を防ごうとしています。もっとも考えられるのは、糖尿病や脂質異常症からの血栓の防止です。

これらの病気は、血管を傷つけ、血小板の凝集を引き起こします。

また、アスピリンとクロピドグレルを併用している場合もありますが、この場合にはステントを入れている可能性があるので、必ず確認します。

4.併用薬を必ず確認せよ!

なぜ抗凝固薬や抗血小板薬が処方されているのか?その答えは、併用薬から考えることができます。これらの薬が単剤で出ることは、あまりありません。

むしろ、低用量アスピリンが単剤で出ていたら、患者様に確認したいくらいです。鎮痛薬として使おうとしている可能性があるからです。
必要と判断すれば、疑義照会を行います。

ワルファリンのような抗凝固薬が単剤で出ていた場合も静脈血栓症の可能性はありますが、他に服用薬がないかなどを確認したいところです。

スタチンのような脂質異常症や、SUやDPP-4のような糖尿病の薬は出ているのか?ジゴキシンは出ていないのか?
血圧の薬なら、どのようなタイプの薬がでているのか?

特にβブロッカーが出ていた場合、受容体の選択性や、ISAの有無はどうなのか?薬の専門家として、きちんと見極めて、患者様への服薬指導につなげていきたいところです。

5.まとめ~処方箋を読むということ~

今回は赤色血栓と白色血栓、さらにその治療薬について学生向けの記事を書かせていただきました。
とくに、薬局での実習生向けに書いているつもりです。

ワルファリンもアスピリンも、服薬指導では「血液をサラサラにする薬」と言います。しかし、同じ血液をサラサラにする薬でも、ワルファリンとアスピリンはまったくの別物です。

医師の先生の処方意図も違います。
調剤する際には、きちんと処方意図の違いを読み取らなくてはなりません。最終的に、ワルファリンとアスピリンで、患者様に説明内容が変わらないとしてもです。

きちんと考えて「血液をサラサラにする」というのと、機械的に「血液をサラサラにする」と言うのでは、雲泥の差があります。

実習中、薬をピッキングする機会は多いと思います。その際、ただ薬をピッキングするだけでなく、処方意図を考えながら行うと、より多く
のことを学べます。

とくにワルファリンやアスピリンに代表される循環器の処方箋は、様々な組み合わせがあり、勉強になります。

ぜひ、処方箋を処方意図まで読み込んで、調剤を行うように心がけてみてください。

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コメント

  1. 匿名 より:

    実習生の者です。参考にさせていただきます。
    恐れながら、目次2以降の白色血栓と赤色血栓の記述が逆ではないでしょうか。
    もし私の読み間違えならご容赦下さい。

    • しゅがあ より:

      ご指摘ありがとうございます。

      私も確認見落としておりました。訂正いたしました。

      また何かありましたらよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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