パーキンソン病×貼付薬
◆パーキンソン病とは?
中脳の黒質に局在するドパミン神経
が次第に変性・脱落することで、
神経伝達物質のドパミンが
脳の線条体に運ばれなくなり、
線条体においてドパミンが欠乏を起こす疾患。
◆特徴的な症状は?
運動障害としては、
・静止時振戦
・筋固縮
・無動
・姿勢反射障害
⇒運動調節に重要な役割を担っている
線条体の一部である被殻において
ドパミンが欠乏した結果起こると考えられている。
他には。。。
うつ傾向などの精神症状、
便秘や低血圧などの自律神経症状がある。
◆薬物治療は?
基本的には、Lドパ製剤と
ドパミンアゴニストが使用される。
2013年2月には、
パーキンソン病治療薬として初の貼付薬
ニュープロパッチ(ロチゴチン)が発売された。
非麦角系のドパミンアゴニストで
1日1回の貼付で24時間安定した
血中濃度を維持できる製剤だ。
◆貼付薬を使う意味は?
・パーキンソン病では神経変性で
嚥下障害を来した患者は内服が難しいこと。
・薬の内服によりドパミン受容体が間歇的に
刺激されることで不随意運動が発現しやすくなる。
・貼付薬は使用状況が視覚的に確認でき、
副作用が発現した際には剥がすことで対応できる。
こういった理由から特にパーキンソン病
患者では有効だと考えられている。
◆ニュープロパッチの副作用と注意点は?
副作用として、貼付部位反応(湿疹・発赤など)
や悪心、傾眠などが報告されている。
また、非麦角系薬で特徴的な
「突発性傾眠」にも注意が必要である。
そして製剤的な話では、ニュープロパッチ
の支持体にアルミニウムが含まれている。
つまり。。。
MRI検査などの前に剥がさないと、
貼付部位にやけどを引き起こす恐れがある。
◆おまけ~MRI検査で注意することは?~
心臓ペースメーカー、骨折固定用のボルト、
チタン製以外の脳動脈瘤クリップなどを
使用している患者は受けられないケースがある。
貼付薬では。。。
・ニトロダームTTS
(狭心症治療薬:ニトログリセリン経皮吸収製剤)
・ニコチネルTTS
(禁煙治療薬:経皮吸収ニコチン製剤)
これらの支持体にアルミニウムが含まれているので
同様に注意が必要である。
一方で、
イクセロンパッチ、リバスタッチパッチ(リバスチグミン)
ホクナリンテープ(ツロブテロール)
フランドルテープ(硝酸イソソルビド)
などはMRI検査の際には問題ないとされている。
以上、パーキンソン病の簡単な病態と
貼付薬と特徴、注意点についてまとめました。
少しでもお役にたてると幸いです!
コメント
2003年2月にニュープロパッチ(ロチゴチン)が発売された。・・・・・×
2013年2月にニュープロパッチ(ロチゴチン)が発売された。・・・・・○