レジボアシステムってなんぞや!?


Abbott HPより

このシステムなんですが、気管支喘息に用いられるホクナリンテープに使われているものだそうです。

先日勉強会で説明されており、なるほどなーと思ったので取り上げてみます。

貼付剤といえば、狭心症に用いられるニトログリセリン製剤、疼痛管理で用いられるオピオイド製剤などが思い浮かびます。

結局はこの「経皮吸収」というのは、基材に溶け込んだ薬剤が皮膚から吸収されて血流に乗り全身循環に入って効果を発揮するわけです。

ということは当然、それぞれの製剤の特徴って大事だよなと。

貼付剤の型としては、おおきくリザーバー型とマトリックス型があって、
リザーバー型は皮膚との間に穴のあいた壁があって薬が通り抜けていくイメージ。
マトリックス型は、ゲルみたいな基材に薬物が分散していて、マトリックス中から拡散して皮膚に入ってイメージ。
そのようなイメージであっているでしょうか^^

今回の「結晶レジボアシステム」はマトリックス型で、単純に薬剤が分散しているのではなくて、多くが結晶の状態で分散してると。

はたして、これで何かメリットになるのか?

簡単にいうと、分子の形で存在する薬物濃度が時間にかかわらず一定になるってこと。
つまり、薬剤分子がマトリックスから皮膚に移行して濃度が下がってくると、結晶から随時補給されてくると。

マトリックス型は使用前は薬剤分子が高濃度でマトリックスに分散しているので、本来はバーっといきおいよく皮膚に吸収されちゃうわけです。
当然、血中濃度も高くなってしまうから副作用もでやすくなると。
喘息治療薬(β刺激薬)の場合は、動悸、振戦とかです。

ですが、レジボアシステムを使うと皮膚への移行がある程度一定になるから、血中濃度の立ち上がりも緩やかで持続時間も長くなります。

さらに、
アトピー性皮膚炎の方、高齢の方、ステロイド使用で皮膚が薄くなっている方など皮膚の吸収性が変わっている人に対しては、通常の貼付剤だと吸収性、スピードが変化してしまうが、レジボアシステムではそれが緩和できるそうです。

ちなみに、
レジボアシステムは先発の「ホクナリンテープ」にのみ採用されており、後発品では製剤的に異なるようです。
この理由から先発指定するDrもいるのだとか。

今後はこういった観点からの薬剤選択も主流になっていくかもしれませんね。
薬剤師もここ積極的に攻めていく必要あるかもです^^

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