在宅に関わっていると、
患者の声がダイレクトに伝わってくる。
まさに「生」の声だ。
件数は多くはないが、
今回の出来事も
僕にとって深く考えるきっかけを与えてくれる。
それは、
僕自身がまさに
普段から感じていることだった。
「薬がなくなって、
目も活き活きしてきたよ。
顔色もよくなったし、
食欲も元のようだよ!」と家族。
ある時、ふとしたきっかけで、
主治医とは別の医師に診てもらった
そのほぼ寝たきりのその患者。
その診察では、
普段脱がされない服を
脱がされ、親身な診察が行われたそうだ。
Dr「どこも悪いところがないのに、
調子が悪くなったり、
食欲が落ちるのはおかしい。
薬が強すぎるのかもしれない。」
そう言って、
向精神薬など大幅にカットしてくれたそうだ。
「薬がなくなった次の日から
すぐに調子よくなって
ご飯もたくさん食べるようになったんだよ!」
家族は嬉しそうに話してくれた。
これを聞いて、
どう、思うだろうか?
僕自身、
薬剤師があるがゆえに、
薬にネガティブな感情も持ち始めている。
「薬」
それ自体が「悪」ではない、
そう信じたい。
僕自身も
アレルギー、花粉症など
一時的につらい症状を抑えてくれる薬には、感謝の気持ちで一杯だ。
ただ、やっぱり今の医療、
薬の使い方がおかしい。
なぜ効かない薬を止めずに増やしていくのか?
「減らす」
という視点がなぜないのか?
処方せんは
もっとシンプルであるべきだ。
処方せんに新たな薬を追加するのは、
数文字打ち込んで数秒で完了するだろう。
しかし、
実際にその薬を調剤してみると、
この量は明らかに”異常”だということに気づくはずだ。
この違和感を感じているのは、
おそらく自分だけではないと思う。
疑問や違和感を感じられなければ
改善はないし、進歩もない。
現状に甘んじるだけだ。
この現状を1ミリでも変える、
そんな働きを今後少しずつできたらと、
改めて感じた出来事だった。
コメント
全くもって同感です。
僕は薬剤師として出来ることは、治療のムリ、ムラ、ムダを減らしより多くの患者さんのQOLを上げることだと思います。
「薬に関して患者さんの様々な負担を減らす」この視点で取り組めば医療費も抑えられる、よりスマートな治療が展開できる。
薬物動態を考え相互作用、副作用を減らす、薬学的な判断の上で剤形を変更を依頼し飲みやすくさせる、服用タイミングを合わせてコンプを上げる。残薬を調整するetc
取り組めるものは何でもやりましょ♬
医師の処方に疑義紹介できるのは薬剤師だけなのだから。
外野に何を言われようと本当にすばらしいビジョンが有るならば突き進むべきだと思います。
話が飛躍しますが科学的な常識も100年後には正反対になっているケースも有りますし、偉大な発明家や天才、画家やアーティストもその時代に理解されなくても、後から見直されるケースは様々な分野で起きていることは歴史が証明しています。
しゅがあさんが理想としているところがあるなら、きっとそれは魅力的な考えではないかと思います。
そしてしゅがあさんなら実行できると思います。
注:俺はホモではないです笑
ありがとうございます(笑
夜は思考がネガティブ&極端になりやすい、という傾向があるので、なるべく夜に文章は書かないようにしたいのですが、つい勢いで・・・^^;
理想論ではありますが、少しでもそれに近づけるように自分なりの努力はしていきたいなって思いますね(>< いろんな方向性があっていいと思います。 お互いの理想論、ぶちかましていきましょう(笑
薬の使い方について、思うことがあるのは私も感じることであります。医療現場における薬の使い方はかなり荒いものであると元病院薬剤師の教員から聞いたことがあります。
医療現場では必要のない薬が追加されることが往々してあります。抗精神薬なんて減薬の段階で詰まってしまうことがありますし。
現実的に言って、効かないなら増やしてしまえといったことがなされているのかもしれませんね。
患者さんの生活の質の向上において、どれだけの患者さんの声に医師や薬剤師が耳を傾けられているのか疑問もあります。
今回の記事に出てきた医師の方には拍手を送りたいです。)^o^(
薬を減らすことが追加することよりも大変であることをきちんと認識したうえで処方を考えて頂きたいです。
そして、薬に対する知識もしっかり付けて頂きたいと思います。
そして、私も他人事ではなく、自分もしっかり勉強して、薬の専門家になるべく精進していきたいと思います。
>猫好き さん
現状における薬の使用状況というのは、国は進めてきた医療体制から考えれば必然であり、仕方のないことであったと、今はそう感じています。
実際に薬局が利益を出せて、薬剤師がお給料をもらえているのも、医師が薬を処方しているおかげという事実も否定はできません。
クリニックだって、慢性疾患の患者がみんな薬に頼らない治療法を実践して、数値が改善してしまったら閑古鳥が鳴いてしまいます。
当然、そこで働いているスタッフは生活できなくなります。
どの業界においても、今ある状況において最もバランスのとれた状態に落ち着いているという側面があります。
それをすべて否定して、というのは一般には受け入れられないでしょう。
「悪」か「正義」かは、それを見る立場や角度によってコロコロと変わるものです。
いろいろな視点から医療というのものをみて、自らが正しいと信じた道を進んでいければよいですね。