【記事専門度】★☆☆
今回は、私自身が現場で
働いている中で、心の中で
引っかかっていることについて書いていきます。
テーマは「痛み止め」を
効果がないにも関わらず、
なぜ続けているのか?についてです。
「痛み」とは、
そもそもかなり主観的な感覚です。
医師が身体の状態をみて、
「これは相当痛むはずですよ。」
といったところで、本人が全く痛くない
といえば、「痛み」は存在しないことになります。
それとは逆に、医師が検査で
「どこも悪いところは見当たらない」
といったところで本人が”痛い!”と言えば
痛みは確かにそこに存在するのです。
医学や文明が進んだ現在においても
「痛み」という感覚を目に見える形や
絶対的な数値で測定することはできていません。
一応、痛みを表わすスケールとして、
下記に挙げるようなものが使われています。
視覚的評価スケール:VAS
表情評価スケール:FRS
>
数値評価スケール:NRS
とまあ、かなり原始的な方法で
とどまっているわけです。
すごく”曖昧な”感覚である
「痛み」に対してどのように治療して
いくか?というのは確かに難しい問題ではあります。
あくまで”現場”で受ける印象としては、
鎮痛治療にはまだまだ満足している
患者は少ないなと感じています。
そういった状況の中で、
すごく気になっているが、
「効かないのに飲み続ける鎮痛薬」です。
最近では、CMなどでも
「神経の痛み」=〇リカ
と金〇先生が紹介しています。
確かに、痛み止めといえば、
NSAIDsと大昔に承認された謎めいた薬
くらいしか選択肢がなかった状況には
一筋の希望の光かもしれません。
しかしながら、リリカについても
副作用の頻度が気になることや
高価であることがネックになります。
実際に効果があるという人もいれば、
ほとんど変わらないねという人も多いです。
むしろ「劇的に効いた!」という人
にはあまりお会いしたことがありません。
(※あくまで筆者の主観です!)
そして、一番訴えたいことは、
「しっかり効果が実感できていれば
まだしも、効いていないのになぜ続けるの?」
ということです。
はっきり言って、
「なんとなく効いている気がする」
「飲まないよりはいいんじゃない?」
くらいの印象であれば、プラセボでいいだろう!
、と言いたいのです。
はじめに書いたように、
痛みはかなり主観的なもので、
その感覚も気分によって大きく変化したりします。
で、あるならば、
本人が「明らかな」効果を実感していない
のであれば、薬は中止すべきではないのか?
もし、続けるのであれば、
違うものを使用すべきではないか?
そう思うわけです。
「でも、薬出さなきゃ患者は納得しないでしょ?」
という意見もあるかと思います。
だったら「偽薬」でもいいのでは?
臨床試験でもはっきりとした効果が
実証されていますし。
「偽薬」「プラセボ薬」
の薬価収載を本気で検討しても
いいのではないか、と思うわけです。
適応は
「薬剤抵抗性の慢性疼痛」
とすればいいでしょう。
そうすれば、胃腸障害や
腎機能障害など副作用を恐れることなく
長期にわたって漫然と使用できます。
と、ちょっとブラックな内容に
なってしまいましたが、どうしても
抑えておけない本音というところです。
痛み止めをやめることで、
それにセットになっていた謎の胃薬
も一緒にやめることができます。
これだけで、服用している薬
は2,3種類減らせるわけです。
痛みを感じるということは、
なんらかの身体の不調があるわけです。
むやみに痛みを薬で誤魔化したり、
押さえつけたりするのではなく、
一度、自分の身体と対話してもいいのでは?
とも感じています。
理学療法など新たな角度からの
アプローチや、生活習慣の見直し
(姿勢、歩行、就寝姿勢)などヒントがあるかもしれません。
以上、まとまりは皆無でしたが
意外にコアな内容になったと思います。
少しでも考えるきっかけとなれれば幸いです。