私の考える「医療3.0」

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久しぶりの更新ですね。
今回のテーマは、
私の考える「医療3.0」です。

3.0とか最近の流行りみたいなので(笑、
ちょっと乗っかってみようかなと。
でも!割と本質的な話になるかと思います。

まず、はじめに、
医療の変遷を考えてみたとき、
現在の医療はver.2.0だと思うのです。

皆さんはどうでしょう?
医療というものを大きな視点で
みたときに、どう変化してきたでしょう?

初期の医療というのは、
あくまで「自然」が主体であったと思います。

たくさんの人が生きていれば、、
当然具合の悪い人もでてくるわけで、
その人をどう治すか?でいろいろな知恵を絞ったわけです。

で、基本的には、
自然の薬草や宗教的なものによって
病気を治そうとしたはずです。

それは現代にも、漢方や様々な治療法
(整体、アロマ、お灸、針、温熱療法などなど)
としてつながっているわけです。

ある意味ひとくくりにすれば、
東洋医学、ともいえるかもしれません。

一方、それとは異なる医療が発展しました。
いわゆる化学を基礎とした西洋医学です。

そして、西洋医学の歴史の中で、
医療を1.0から2.0の世界に変えたのが
抗生剤の発明と個人的には思います。

いわゆる「仁~ZIN~」のペニシリンに
始まる歴史です。

それまで人類がどうすることも
できなかった領域に足を踏み入れた
きっかけが、これではないかと思うのです。

そこから、人の身体が「科学」
として捉えられ、全く異なるアプローチから
医療が発展していったわけです。

そして、外科的、内科的な治療は
並行して発展していき、現代の医療
といえば、この延長を指しているわけです。

そして、何やら怪しい方向に動きだしたのも
この時期ではないか、と個人的には思うのです。

「医療が何とかしてくれる」
この絶対的信頼感がどこかで芽生えたのです。

本来、病人は病人らしくするのが筋というものです。
これは決して、だまって寝ておけ、というわけでは
ありません。

単純には、人まかせにするな、
ということなのです。

言い換えれば、自覚をもて、
ということです。

今の医療の違和感というのは、
まわりが自分以上に、自分の体を気遣っている
ということなのです。

健康診断が義務化されている、
ということが影響しているのかもしれませんが、
本人にその自覚がない、むしろ無関心な場合が非常に多い。

これは、違う角度からみると、
国家全体のリスク回避、ともいえる医療なのです。

だって、不摂生な人を放置して
腎透析にでもなったら、どうでしょう?
年間数百万の医療費がかかります。

放っておけば、腎透析の人は死ぬのです。
国が助けなければ、道端で苦しんで死んでしまうのです。

海外では、誰も助けてはくれません。
そんなこと日常茶飯事です。
生まれたばかりの子供だって、救ってはくれないのです。

でも。
日本では助けなければなりません。

つまり、結局助けなければならないのなら、
早々に薬を飲ませて、何とかして透析にならないように
管理する、というのが、国家にとっては利益ですよね?

しかし、当の本人は、
大変だなぁ、くらいにしか考えていない。
事の大小はあれど、こういった状況は少なくありません。

そういう側面からも
医療を考えることもできるのです。

そして、私が考える医療2.0というのは、
いかに人類が楽をできるか?延命できるか?
を追及してきた医療でもある、と考えます。

薬を飲めばなんとかなる。
手術をすればなんとかなる。
そんな幻想がどこかにあったのです。

しかし、これからは、
少しずつ変わっていくと思っています。

皆がフェアに情報を得られる時代になったのです。
より能動的に医療に参加していく状況になるでしょう。
というか、ならざるを得ないでしょう。

そうしたとき、
やはり、原点回帰が必要でしょう。

根本的には
生活を変えなければならない、
ということに気づくでしょう。

それが、患者側の義務ともいえます。
そういう患者をサポートしていくのが
医療サイドという立場になるでしょう。

あくまで、中心は患者本人。
どういう判断をするかは本人です。
数ある選択肢の中から選ばなければなりません。

選択肢(情報)だけは、無限に増えていきます。
「情報は自然に増えていく」という
エントロピー増大則という法則が指すものですが。

というか、
私自身は自分で選びたいです。
情報はいくらでも手に入るし、自分が納得したいからです。

そういう人がここ数十年で
どっと増えてくると思います。

そうなると、
医療を取り巻く環境も変わっていくでしょう。

どうなるかは、
ご想像におまかせします。

そして、もう一点。
現在の医療で最も注目すべきは、
疾患に対するアプローチの方法です。

以前は、状態⇒治療⇒結果⇒原因追究
であったものが、
現在は状態⇒原因⇒治療⇒効果確認
という治療が可能になったのです。

昔は、なんかよく分からないけど、
むくみにはこの薬草を使うと改善するな、
ということを経験的に調べていったのです。

今は、科学、検査技術の発達により、
むくみが起きている原因はこれだ、
だからこの治療や薬を採用しよう、といったアプローチが可能です。

なんとなく治療や薬を使う、から
メカニズムから論理的に最適の方法を
選ぶ、といったことが可能となってきたのです。

こうなると、薬剤師としても面白いと思います。
薬理学、薬物動態学の知識が絶対に必要になってくるので。
まぁ、かなり専門的な内容が必要になるでしょうけど。

どういう立ち位置になるか、
は努力次第ということになるでしょう。

以上、2点。

・患者主体の医療となる。
(治療選択、治療そのものへの取り組み)

・メカニズム解析に基づく論理的な治療選択。

これが私の考える「医療3.0」です。

皆さんの考えるこれからの医療はどんなものでしょう?
考えてみてもおもしろいかもしれません。
ではまた!

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