最近、患者さんからこんな言葉を
よく耳にするようになりました。
「調べたらしっかり書いてあったよ。」
「いろんな副作用あるんだってね。」
今の時代は、情報が簡単に手に入る
ようになりました。
つまり、誰でも知ることができるようになったのです。
この時代に専門家は必要なのか?
今はちょっとその役割が変わってきているように感じます。
昔は、情報を知っていることが偉かったのです。
でも、今は誰でも情報は手に入れることができます。
情報自体には価値はなくなってきたのです。
「薬」に関して言えば、
自分が飲んでいる薬の名前を打ち込む
だけで数万というページがでてきます。
インターネットの情報は怪しいとか、
信用できないという考えは今や古くなっている
と思います。
添付文書やIFなどのデジタル文書も
検索できますし、専門家のブログや論文なども
ネット上でみることができます。
そこで、求められるのが、
”情報と現実のすりあわせ”
かと思っています。
薬の副作用に関して言えば、
臨床試験で薬を服用していた際に
起こったすべての副作用が記載してあります。
そして、そのほとんどについて
メカニズムや原因は分からないことが多いのです。
どの程度起こりうるのかも曖昧です。
そんな中で、患者さんはどういうことを知りたいのか
というと、それは「実際にはどうなの?」
ってことだと思います。
これって、実はかなり難しい質問なわけです。
そしてそれをカバーできるのが「経験」と「深い知識」
だと思っています。
例えば、「アレルギーの薬は眠くなる」と
調べればすぐに分かりますが、
薬によってその強さは違うのです。
「薬を飲んでいるときはアルコールを飲むな!」
一律で言い切ってしまうのは簡単ですが、
影響の強い薬と弱い薬があるわけです。
影響を受けない薬に関しては、
自信をもってそう答えることで、
患者さんには禁酒によるストレスなく、
服用を続けてもらえるかもしれません。
その微妙なバランスを的確にアドバイスできる
という力がこれからは求められている気がします。
ネットで調べても分からない、
かゆい所に手が届く、そんなアドバイスができる
専門家がこれから重宝されるでしょう。
コメント
新米薬剤師です。
>ネットで調べても分からない、
かゆい所に手が届く、そんなアドバイスができる専門家がこれから重宝されるでしょう。
おっしゃるとおりだと思います!
私もそうなりたいと思ってます!
でも、、、
その知識ってどこから手に入れたらいいのかわからず、うずうずしてます。
メーカーの勉強会は月に1回あるかないかだし、薬を自分で使ってみるわけにはいかないし。
教えていただきたいです!!!
簡単に手に入らないから、貴重な知識ともいえますよね^^
僕が思うそのような知識というのは、「経験」と「生身の人間」を介した知識ではないかと思います。
具体的には、多くの方々とのコミュニケーション、これは何も患者さんだけではなく、医師やメーカーさん、そのほかの医療をとりまく方々、はたまた全く医療とは違う分野で働く方々など、すべて含みます。
そういった色々な視点から、様々な意見や考え方を教えていただくことで、添付文書からだけでは分からないような「実際」を知ることができます。
そして、僕が特に重要と思うことは、物質ではなく、人間を見るということ。これは、BABYさんが薬剤師を続けていくと、きっと気づくチャンスがあると思います。
そのときまで焦らず努力し楽しみにしていてください^^
返信ありがとうございます。
やはり、経験から得る知識が実際に役立つ貴重な知識なんですね。
経験で追いつかない分は、このようなブログやサイトで先輩たちの仕事ぶりから学ばせていただきます!