これまでも勉強のやり方という話はしてきたのですが、もう少しお伝えしたいことがあるなと思ったので、記事を割いてお話しようと思います。
というのは、以前の記事「薬剤師国家試験の落ちる人の5つの特徴」でこの類の質問が多いので、もう一度何かお伝えできればなと。
大学の試験勉強や国家試験対策に不安を感じている方にとって、何か参考にできることがあればうれしいです。
目次
目的をはっきりとせよ
すごく多い質問の1つが、「試験勉強をしています。どう勉強してよいか分かりません。」という内容です。
僕は、試験に向けた勉強というのはあまり意味をもたない、と思っています。
というのも、試験勉強という単語を聞いてそもそもやる気が起きないし、ネガティブな意味が込められています。また、そうやって得た知識は後にあまり残らないと感じるからです。
とはいえ、ですよ。
学校に通っている以上、試験に合格しなければ次の学年には進めないですし、再試の繰り返しでは精神衛生上も非常によろしくないです。
では、どうすべきか?
今の状況を考えたとき「いったい今、何が一番重要なのか?」を考えて、自分なりに納得して取り組むすることです。
そうすれば、その時に必要な「方法論」は自ずと見えてくるでしょう。
もうちょっと具体的に話すと、試験勉強は試験に受かるための勉強のことですから、自分ができるあらゆる手段を使って、試験に合格することが目的なはずです。
であるなら、とりあえずそう割り切って取り組んでみては、と思います。
本当の勉強をしようと思ったら、とにかく時間がかかるんです。
だって、分からないことを1つ1つ逐一調べて、かつ自分なりに納得していく、という作業が入るわけで、それはもう試験の範囲なんてカバーできないのです。
なので、僕自身も試験突破を考えるのであれば「広く、浅く、早く、確実に」というキーワードをもって取り組みます。
疑問があっても、それに時間をとられすぎるのは効率的ではない。(あくまで試験ということを考えたときに)
だから、まず過去問を入手する⇒傾向をつかむ⇒試験にでそうなところをピックアップする⇒覚えるべきところをゴロでもなんでもいいから確実に覚える
こんなことをするわけです。
まあ、これは正攻法な勉強ではないと思いますが、「結果にフォーカスする」ならば、これが最良だと思うわけですね。
だって時間は限られているし、それを今の大学制度は求めているという面も否定できませんから。
まず大切なのは、「勉強する目的を一時的に設定する」ということです。
自分だけの答えを探せ
これは、勉強法だけに限ったことではないんだけれど、今の子たちは周りに答えを探すことが非常に多い。
これは、学校教育が問題なのであって、普通に教育を受けてきた真面目な学生は自ずとこうなってしまうわけです。
だって、答えが1つだけある問題をひたすら解かされて、それに正解した人だけをひたすら褒められるということをしてきたわけですから。
そして、その決められた答えを求められない人は「出来損ない」のレッテルを張られて自信をなくしていきます。
また、教師は子どもの素朴な「なぜ?」に応えられる人は非常に少ないし、最悪の場合、誤魔化します。疑問に徹底的に寄り添ってくれる教師は少ないです。
そんな教育のなかで、本当の勉強ができる人がどれだけ育つのかはすごく心配です。
で、勉強のしかたを他人に訊くというのは、この傾向の一環であるとも思います。
自分の勉強法は間違っているんではないか?
どこかに「勉強法の答え」のようなものが転がっているのではないだろうか?
といった不安にいつも襲われてしまうわけです。
でも、
答えなんてないんです。
自分に合った勉強法は、自分自身でみつけるものです。
考えてみれば当たり前の話で、人によって文字を読むスピードは違うし、理解力は違うし、記憶力は違うし、基礎知識は違うし、集中力は違うし、興味関心も違うし、それはもう全部違うわけです。
覚え方にしたって、ノートに自分の字でまとめないと全く覚えられないという人もいるし、教科書を一回読んだだけで全部記憶してしまう人もいます。
みんな違うんです。
ということは、他人に勉強法を聞いても意味がない、ということは何となく分かってもらえるはずです。
もちろん、コツみたいなものは他の記事でも散々ご紹介しているので、使えるものについては自由に使ってもらってよいのですが。
でも、基本的には試行錯誤しながら、自分だけの勉強法を、もっといえば、自分の人生の生き方を学ぶのが大学である、と思っています。
ぜひそういう気持ちで、学生生活思いっきり楽しんでほしいと思います。
自分のペースで歩け
でもまあ、そうすると他人が羨ましくなることもあるでしょう。人間だもの。
「あいつはいつも勉強せずに、楽々試験をスルーしてずるいな」
「なんで私はこんな勉強しているのに、試験に受からないんだ!」
とかですね。
でも、そんなこと言ったってなにも始まらないですよね。
勉強しなくても試験に受かる人は(本当にいるのかは分からないですが(笑))、おそらく極端に記憶力がいいか、陰でひそかに努力しているか、試験にでるところを非常に効率よく勉強できているか、のどれかです。
もし、自分の記憶力に自信なくても、努力と効率性を少しずつアップさせていればいいわけです。(記憶力に関しても、記憶法みたいなのを学ぶと全然違いますし。いくらでも方法はあります。)
つまり、現状を把握して、そこから自分の足でスタートして、全力で取り組む。
もうこれしかないのです。
「他の人が10分で理解して覚えてしまうことを、自分は1時間かかってしまうんです。」
という人もいるでしょう。
じゃあ、同じ結果を出すには、まずは単純に人の6倍やるしかないです。
でも、さすがにこれだけやれば知識の幅とか深みというのは、比較にならないわけで、きっと6倍頑張った人には、それ相応の世界がみえてくるはずです。
そして、そういう人は自分と同じ境遇の人を理解し、共感し、助けられる可能性を秘めています。
どんな山道を選ぼうとも、最終的には頂上でみんな合流できるはずです。
意味のないことなんてないと信じて、もう一息頑張りましょう!
自分が納得できるような勉強を、後悔しない勉強を、そして人生を歩んでいってもらえればこれ以上嬉しいことはありません。
うん、なんか説教オヤジみたいになってしまいましたね(笑
では、今回はこのあたりで。
コメント
試験勉強というと、試験だけのための勉強という感じになってしまうなと思います。
将来のための勉強であって、試験のための勉強で終わってしまうのは、もったいないと思います。科目が限られているからこそ、のんきなことが言えるんだと、周りの同期生に言われそうですが、私はそう思ってやみません。
かならず、全体像の把握を行うことが大切であると思うからですし、目的を持っていると勉強に対するモチベーションも違ってきます。
臨床に出れば、いろんな薬の使われ方を患者を診ながら会得することができます。
実習はそういうことを習得する場であると感じていますし、そうであると思います。
そこで、どのような患者さんがいて、バックグラウンドはどうかなどを含めて、薬物治療における判定を下せるようになるのではないかと思います。
勉強をただの手段としてではなく、臨床につながるカギであると考えれば、より興味・関心を持って行うことができるのではないかと思います。