ジェネリック医薬品(後発医薬品)はだめなのか?

ジェネリック=発品?

ジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品、別名:後発医薬品。
医療に関わる人なら常識かもしれませんが、
一般の人は結構知らない人がまだまだいます。

CMで名前は知っているけど、
結局のところなんなの?
という場合が多いと思うのです。

今回は後発品の基本の部分と、
実際にあったトラブルなども含めて説明したいと思います。
(一般の方、同業種の方どちらにも考えてほしい記事です!)

そもそも、
なぜ後発品を使う必要があるのか?
についてです。

患者さん側のメリットは、
★安い(ものによっては1/10とか)
★剤形(錠剤、カプセルなど)を選べる
があります、現段階では「安い」からでしょう。

国から見ると、医療費削減です。
あとは後発品会社が潤いますね笑

はっきり言って治療や在庫管理の面では
すべて先発品にした方が楽なわけです。
効果も実証されていますし。

ただ、医療制度が崩壊目前であり、
患者さんの負担も多くなっているので、
世間的には後発品推奨の流れにあるわけです。

生活保護を受けている方は、
後発品で治療を受けるようにという
規定もできるかできないか。(H26年現在は努力義務)

「後発品=先発品」という前提であれば、
それはすごく自然なことだと思いますが、
そう単純でもないから問題になるわけで。

前置きはこのくらいにして
ちょっと本題に入ります。

まず、後発品と先発品の
同じところはなんでしょう?

それは「主成分」です。
体に効く「薬そのもの」のことです。

というか、
全く同じところって実はこれだけです。
薬の大きさ、色、製法、添加物などすべて違います。

だから、
「効果は変わりません」と
説明するのに私自身は抵抗感を感じます。

一部の意見として
「ジェネリックは別の薬だと思え」
ということも聞いたことありますし。

「成分」だけ同じということでは
あまりにお粗末なので、ある試験を行っています。
それは、薬がしっかりと
吸収されて体の中に循環したのか?
という試験です。

・AUC(薬物血中濃度時間曲線下面積)
・Cmax(最高血中濃度)
・tmax(最高血中濃度到達時間)
がだいたい等しいのか、という検査です。

理論上はこれが同等であれば、
同じ効き目を発揮するはず、
なのです。

このほかにも製剤的な試験、
例えば含量試験、溶出試験、安定性試験
などは実施しているはずです。

では、実際にはどんなことで問題になるの?
ということなのですが、
基本的には、少しの違いから生じることが多いのです。

例えば、形や色ですが、
患者さんにとってみれば薬の認識って
錠剤の見た目で判断していますよね。

同じ成分だからって言われても
見た目全く違うじゃんってなるわけです。

ここで生じるのが、
コンプライアンスの低下と
プラセボ効果ってやつです。

形・色が違うから飲みたくない!とか
気分的に効かないような気がする!とかです。

精神科領域の薬で
そういったケースが多いということを聞いたことがあります。

考えてみれば当然で、
薬の飲む時に不安になったり、
ストレスを感じたら、体調も変わる可能性が高いです。

さらに難しい例としては
添加物の違いがあります。

例として、
「イソバイド(先発品)」と「メニレットゼリー(後発品)」
どちらもめまいや耳鳴りで使われる薬です。

ある患者さんは
メニレットゼリーをはじめに処方され、
めまいなどの症状が改善していました。

転院することになり、
今度はイソバイドが処方され
服用することになったのです。

すると、
いままでは全く問題なかったのに
変えた途端に顔面に赤くなり発疹がでてしまったのです。

そして、
再度メニレットゼリーに戻したところ
発疹は治まったのでした。

原因ははっきりと特定はできませんが、
ひとつとして考えられるのは、
イソバイドに含まれていた添加物です。

その中で
パラベン類(パラオキシ安息香酸プロピル、
パラオキシ安息香酸ブチル)が疑わしいとされました。

パラベン類は
一般的には低刺激で安全とされ、
殺菌防腐剤として使われています。

ただ、人によっては
アレルギー性皮膚炎、蕁麻疹、
全身性接触皮膚炎など起こす場合もあります。

このケースでは
後発品から先発品への変更で
トラブルがあったというわけです。

つまり、先発品が善くて
ジェネリック(後発)が悪いと
一概に言えるものではないのです。

それぞれ違う特徴をもっている
ことを理解する必要があるということです。

その患者さんにとってどちらがいいのか?
というのが大切です。

すべての後発品について比較して
特徴を把握するというのは
現段階では難しいと思います。

しかしながら、
ジェネリック(後発品)=先発品
という単純な理解や説明では安易ですよね。

医療の維持には必要なものであり、
うまく使用すればよりよい治療効果も期待できるので、
一般の方の理解、何よりも医療人の勉強が必要になってきますね。

P.S.
個人的には
ジェネリック医薬品の添付文書やIFは
情報が少なくて好みじゃありません!
賛同していただける方はきっといるはず!

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