目次
<ケース>
小児A君は39.8℃の発熱があり、咽頭発赤が著明であった。
咳嗽と鼻汁があり、咽頭痛のためか食欲低下も認められた。
<対応>
咽頭発赤が強いことから医師は「溶連菌感染症」
の可能性を疑い、パセトシン細粒(アモキシシリン)
が処方になった。
解熱剤は発熱時頓服で
カロナール(アセトアミノフェン)が処方になった。
<理解>
解熱剤は少なくとも1℃以上の解熱効果を
有する薬剤を選択する。
小児では、解熱効果が強すぎて低体温やショック
などを生じやすいため注意が必要。
第一選択薬はアセトアミノフェン。
第二選択薬はイブプロフェン。
アセトアミノフェン10mg/kgと
イブプロフェン5mg/kgは解熱作用は
ほぼ同等だがイブプロフェンの方が
持続時間が長い。
医師の本音は・・・?
解熱剤は安易に使用しないことが原則だが、
かといって家族の心配を無視できない。。。医師の多くは、小児を心地よくする目的で
診断や治療に差し障りのない範囲で、
解熱剤を投与しているのが現状である。
解熱剤使用の目安は?
「38.5℃以上の発熱がある場合」
を基準にする医師もいる。
服用回数は投与間隔(4~5時間)を考慮すると、
1日3回以内が適当と考えられる。
睡眠中に投与する場合には、
無理に起こして飲ませるよりも
坐剤を使用したほうがいい場合もある。
<解熱剤投与の条件・3か条>
①急性上気道炎など、診断が確定しており、
解熱剤を投与しても経過判定が可能な場合。②高熱により水分や食事の経口摂取が不可能
だったり、不機嫌・不眠の状態の場合。③慢性疾患をもっている小児が発熱のために
原疾患に影響を及ぼすと考えられる場合。
以上、やはり安易な解熱剤の使用は避けたいところ。
「現象には必ず理由がある。」
とガリレオの湯川先生が言っていましたが、
「発熱にも必ず理由がある。」ということですね。